【遊戯王OCG】2024年10月制限改訂発表。改定考察と来期環境予測

遊戯王OCG

遊戯王OCGの2024年10月1日から適応されるリミットレギュレーション、通称「制限改訂」が公開されたので、内容とそれらを実施した背景について考察していこうと思う。前回の改定と比べて大幅な変更内容となった。

Attention Required! | Cloudflare

 

リミットレギュレーションの詳細

●禁止
永遠の淑女 ベアトリーチェ【制限⇒禁止】

●制限
黒魔女ディアベルスター【新規・制限】
蛇眼の炎燐【新規・制限】
天盃龍チュンドラ【新規・制限】
ファントム・オブ・ユベル【新規・制限】
魔を刻むデモンスミス【新規・制限】
刻まれし魔の詠聖【新規・制限】
篝火【準制限⇒制限】
●制限緩和
十二獣ドランシア【禁止⇒制限】
真竜剣皇マスターP【禁止⇒制限】
超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ【禁止⇒制限】
強奪【禁止⇒制限】

●準制限
増殖するG【新規・準制限】
ナイトメア・スローン【新規・準制限】
御前試合【新規・準制限】
●準制限緩和
イーバ【制限⇒準制限】
SRベイゴマックス【制限⇒準制限】
ダイナレスラー・パンクラトプス【制限⇒準制限】
M.X-セイバー インヴォーカー【制限⇒準制限】
竜剣士ラスターP【制限⇒準制限】
封印の黄金櫃【制限⇒準制限】
フュージョン・デステニー【制限⇒準制限】
烙印開幕【制限⇒準制限】

●制限解除
焔征竜-ブラスター【準制限⇒解除】
巌征竜-レドックス【準制限⇒解除】
瀑征竜-タイダル【準制限⇒解除】
嵐征竜-テンペスト【準制限⇒解除】
Emヒグルミ【制限⇒解除】
SPYRAL-ジーニアス【準制限⇒解除】
天霆號アーゼウス【制限⇒解除】
マジェスペクター・ユニコーン【制限⇒解除】
サンダー・ボルト【準制限⇒解除】
ピュアリィ・マイフレンド【準制限⇒解除】
ライトニング・ストーム【準制限⇒解除】

 

各制限・緩和の考察

禁止

禁止カードは「永遠の淑女 ベアトリーチェ」のみが規制対象となった。前回の2024年7月の制限改訂で制限という名の警告を受けたわけだが、遂に御用となった。能力こそ優秀なものの出しにくさのせいで今まで見送られてきたが、デモンスミスによって召喚権無しでフィールドに出せるようになったことが主な要因だろう。ただ、デモンスミス自体も大幅に規制を受けているため、見ようによっては過剰規制と見えなくも無いが、今後新規カードが増えることで、また簡単にフィールドに出せてしまう可能性を考慮すると、今回の禁止も妥当と言わざるを得ないだろう。海外のTCGでも先行して禁止制限を受けているため、それに倣う形となった。

 

制限

黒魔女ディアベルスター」「蛇眼の炎燐」「篝火」の「スネークアイ」に関する3種のカードが制限となった。いずれも初動となったカードであり、デッキ全体の貫通力が低下した。特に相性の良い「アザミナ」にアクセスできる「黒魔女ディアベルスター」が制限されたこともかなり向かい風になりそうだ。「蛇眼の炎燐」は素引きを防ぐために2枚採用が多かったが、それがカバーできなくなった点も痛い。「篝火」は現環境トップの「ライゼオル」にも使われているため、「ライゼオル」のパワーダウンにも繋がっている。

魔を刻むデモンスミス」「刻まれし魔の詠聖」の「デモンスミス」関連カードが制限となった。両者とも初動となるため出張性能が大きく低下している。「紅涙の魔ラクリモーサ」も初動になるが、召喚権を使う必要があり「永遠の淑女 ベアトリーチェ」が禁止する事になったことで、「デモンスミス」ルートから他テーマへのアクセスが難しくなった。「デモンスミス」は登場以降環境トップに走り続けていたが、今回の規制で大幅な弱体化は避けられない。とは言え、環境からぱったりいなくなるといった事は無いだろう。

 

天盃龍チュンドラ」は「天盃龍」、「ファントム・オブ・ユベル」は「ユベル」とそれぞれ環境トップテーマのキーカードが制限となった。「天盃龍チュンドラ」は「天盃龍」唯一の下級チューナーであり、かつ貫通札となっていたため、今回の規制はかなり影響が大きいだろう。環境トップテーマである「天盃龍」がどこまで食らいつけるか注目だが、もう1つの環境トップの「ライゼオル」と相性が悪い為、かなり厳しそうだ。
「ユベル」は現環境からは一歩引いている点や、テーマ内最重要カードの「ファントム・オブ・ユベル」が1枚しか採用出来なくなった点、初動となり「ファントム・オブ・ユベル」のリソース回復も担っていた「ナイトメア・スローン」の準制限、相性の良い「デモンスミス」が大幅な規制を受けている点から、環境からかなり後退しそうだ。

 

制限緩和

一番の注目カードは「超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ」の制限緩和だろう。かつて環境を席巻したパワーカードではあり、耐性・破壊・妨害・打点と非の打ち所がないカードではあったが、当時と異なり対応しやすいカードが増えた点、相性の良かった「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」がいない点から今回緩和となったのだろう。ぜひ入手したいところではあるが、シングル価格がかなり高いということもあり、年末箱やレアコレの再録に期待したいところ。

十二獣ドランシア」はフリーチェーンとは言え、一度しか破壊できない効果はそこまで脅威ではないと判断した上での緩和という事だろうか。同じくランク4モンスターであり「ライゼオル」のエースカード「ライゼオル・デッドネーダー」の破壊効果にターン1が付いていない点も影響しているのかもしれない。
真竜剣皇マスターP」は「真竜」のエースカードであり、一度場に出たときの耐性とフリーチェーンでの破壊効果、そして数多くのデッキに出張採用されていたことで、長く禁止となっていたが今回遂に緩和となった。
強奪」はマスターデュエルで既に無制限となっていたため、それに倣うように緩和となった。

 

準制限

一番の注目カードは「増殖するG」の準制限だろう。ほぼすべてのデッキに採用されており、先行制圧を抑止するために必要となる必要悪なカードではあったものの、やはり強力すぎるカード効果、そして類似カードである「マルチャミー」シリーズの台頭、タクティカルトライデッキが2枚採用だった点から、準制限を予想する人も多かったのではないだろうか。とは言え必須カードの規制は近年ではかなり思い切った判断だったといえるだろう。これにより代替カードの「マルチャミー」の採用及び高騰、そして先行制圧テーマが間接的に強化されることになったわけだが、今後環境がどう変わっていくか注目していきたい。

ナイトメア・スローン」は「ファントム・オブ・ユベル」同様「ユベル」の規制。特に一度効果を使い終わった「ファントム・オブ・ユベル」のリソース回復がしづらくなった点は痛い。
御前試合」は「群雄割拠」や「センサー万別」など強力な永続罠カードと同じ道を歩んでいたため、今後更なる規制に踏み込む可能性は高い。テーマ内で属性は統一されるケースは多い為、規制を免れていた感はあるが、それでも一度出されるとその影響力は大きい。

 

準制限緩和

「スピードロイド」や「烙印」や「HERO」などテーマ内の強カードが多数緩和された。現環境にいるテーマは特にない為、ここから登ってくるテーマがあるかは注目したい。特に10月の新規パックでの追加カードもある「スピードロイド」の重要カード「SRベイゴマックス」や、「M.X-セイバー インヴォーカー」は出張性能も高い為、様々なデッキで活躍が出来そうだ。

 

制限解除

前回準制限となった「征竜」や、エラッタされて制限緩和された「Emヒグルミ」など、今まで徐々に緩和したカード群が制限解除となった。「天霆號アーゼウス」は一気に制限解除となったが、複数枚デッキに採用するのも、枠の関係上難しいと判断した上での緩和だろうか。

 

今後の環境予測

まず現環境トップテーマ、「ライゼオル」「天盃龍」「スネークアイ」の影響度合いについて整理すると、
・「ライゼオル」が「篝火」以外ほぼ規制から逃れている点
・「天盃龍」の初動かつキーカード「天盃龍チュンドラ」の制限
・「スネークアイ」初動となる「蛇眼の炎燐」「篝火」「黒魔女ディアベルスター」の制限
・「スネークアイ」と相性の良い「デモンスミス」の大幅規制
・「スネークアイ」と相性の良い「アザミナ」にアクセスできる「黒魔女ディアベルスター」の制限
・「ライゼオル」が「天盃龍」に相性が良い点
・「増殖するG」が準制限となり先行展開系が有利になった点
から判断するに、次期環境は「ライゼオル」がトップテーマとなる可能性が極めて高い。

 

一方で今回規制の影響をあまり受けず、かつパワーが元から高めであるテーマ
「M∀LICE」
「メメント」
「粛声」
「青眼」

神碑
「白き森」
「センチュリオン」
「R-ACE」
「炎王」

はここから環境にのし上がってくる可能性がある。特に、「M∀LICE」「メメント」が頭1つ抜き出ている印象だ。

一方で10月には新規パックが予定されており、現状は既存テーマの追加カードのみの発表となっているため、ここから環境に食い込んでいく新規テーマが現れるかは注目したいところだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました