「遊戯王OCGタイムズ」にて、2024年7月27日発売の新パック「RAGE OF THE ABYSS(レイジ・オブ・ジ・アビス)」に、「海皇・水精鱗(マーメイル)」の新規カードの実装が発表された。
それぞれ異なるテーマカードだが、互いに水属性のためサポートカードの恩恵を受けやすい点、コストとして墓地へ送られると効果が発動する「海皇」とコストを払うことで効果が発動する「水精鱗(マーメイル)の相性が良く、混合デッキとして活躍している。遊戯王カードゲーム25周年特別映像「Yu-Gi-Oh! CARD GAME THE CHRONICLES」で「炎王」に対峙する「海皇」の姿が描かれていたこともあり、「新規が来るのでは?」と噂されていたが、今回のパックでついに新規実装されることになった。
エースの「エクシーズモンスター」含め5枚の新規カードが発表されたため、早速効果を見ていこう。
海皇精 アビスライン
効果モンスター
星3/水属性/水族/攻1600/守1600
このカード名はルール上「水精鱗」カードとしても扱う。このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札のこのカードと自分の手札・フィールド(表側表示)の、「海皇」モンスターか「水精鱗」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。デッキからレベル7の魚族・海竜族・水族モンスター1体を選び、手札に加えるか特殊召喚する。このターン、自分は水属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
②:相手ターンに、墓地のこのカードを除外し、手札を1枚捨てて発動できる。自分は1枚ドローする。
効果外テキストとして「水精鱗」カードとしても扱う。
①の効果は手札・フィールドの「海皇」「水精鱗」をコストにレベル7の魚族・海竜族・水族をリクルートする効果。同テーマだと「水精鱗-メガロアビス」で2回攻撃、「水精鱗-リードアビス」でハンデス効果を狙えるが、今回同時実装される「海皇龍神 ポセイドラ・アビス」を特殊召喚して、ランク7「水精鱗-ガイオアビス」に繋げられる。また、テーマ外では「超古深海王シーラカンス」でレベル4以下の魚族モンスターをリクルートするのも面白い。
②の効果は墓地から除外して手札1枚をコストに1枚ドローする効果。そのまま使うと1対1交換になるので、コストで墓地に送られると効果が発動する「海皇」のカードを選びたい。「海皇の重装兵」であれば表側表示のカードを破壊、「海皇の狙撃兵」であればセットカードを破壊できるので、ドローソース兼相手ターンの妨害カードとして使える。
水精鱗の深影隊
効果モンスター
星3/水属性/海竜族/攻 0/守1900
このカード名はルール上「海皇」カードとしても扱う。このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札を1枚墓地へ送って発動できる。自分フィールドの全ての水属性モンスターのレベルはターン終了時まで7になる。
②:このカードが水属性モンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合に発動する。「水精鱗の深影隊」を除く、レベル4以下の、「海皇」モンスターか「水精鱗」モンスター1体をデッキから特殊召喚する。このターン、自分は水属性モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
効果外テキストとして「海皇」カードとしても扱う。
①の効果は手札1枚をコストに自分フィールドのモンスターをレベル7にする効果。場に並んだ水属性モンスターを全てレベル7にするため、ランク7エクシーズに展開できる。「海皇龍神 ポセイドラ・アビス」に展開しても良いが、この効果自体には制約が付かないため、汎用ランク7エクシーズを特殊召喚してもよい。また「深海のディーヴァ」のリクルート先に対応しているため、互いに制約が付かないこのカードと一緒に出張カードして採用しても面白いかもしれない。
②の効果はこのカードがコストとなった時レベル4以下の「海皇」「水精鱗」モンスターをリクルートする効果。最有力候補は「海皇子 ネプトアビス」や「水精鱗-アビスパイク」からのサーチ効果だろう。
このカードは「手札のカードを墓地に送る効果」と「墓地へ送られた時に発動する効果」両方の効果を持っているため、それらを効果発動のトリガーとする「海皇」「水精鱗」と非常に相性が良い。
海皇龍神 ポセイドラ・アビス
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/水属性/海竜族/攻3000/守1800
レベル7モンスター×3
「海皇龍神 ポセイドラ・アビス」は1ターンに1度、自分フィールドの「海皇」Xモンスターか「水精鱗」Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
①:1ターンに1度、このカードのX素材を2つ取り除き、手札・デッキから水属性モンスター1体を墓地へ送って発動できる。相手フィールドのカードを3枚まで手札に戻す。
②:X召喚したこのカードが墓地へ送られた場合、手札を1枚捨てて発動できる。自分の手札・墓地からレベル3以下の魚族・海竜族・水族モンスター3体を特殊召喚する。
「海皇龍 ポセイドラ」と「水精鱗-ガイオアビス」が融合したようなモンスター。素材はレベル7が3体と重めだが、その分効果は強く、上記の「水精鱗の深影隊」などを駆使して特殊召喚を目指そう。
①の効果は手札・デッキのモンスターをコストに、3枚デッキバウンスする効果。デッキからでもよい為手札消費を抑えることが出来、当然墓地へ送った時の効果も発動できる。また効果対象にもとらないバウンス効果の為、ほとんどのカードを除去できる。
②の効果は墓地へ送られた時手札1枚をコストに、手札・墓地からレベル3以下の魚族・海竜族・水族モンスター3体を特殊召喚する効果。相手に除外されても場ががら空きになることがなく、守備を固めたり再度展開をすることが出来る。
このカードの特筆すべき点は、自分フィールドの「海皇」「水精鱗」エクシーズモンスターの上に重ねてX召喚でき、かつカード指定のターン1制限が無い点。つまり①の効果でデッキバウンスした後、重ねてエクシーズ召喚し、さらに効果を発動できる。つまり「転生エクシーズ召喚」が出来るということだ。素材は丁度4枚あるため、一気6枚までデッキバウンス効果が使える。効果が通れば相手フィールドにはほぼ何も残らないだろう。1回目の効果を無効化されても、その後もう1度効果が使えるのも強い。また「水精鱗-アビストリーテ」に重ねてエクシーズ召喚すれば、効果は1度しか使えないものの素材を節約できる。
先行制圧効果こそ持ってないものの、返しのターンでは一気に相手フィールドを更地に出来る、まさにエースカードとしてふさわしい効果を持っているカードだ。
皇たる水精鱗-ネプトアビス
リンク・効果モンスター
リンク3/水属性/海竜族/攻2400
【リンクマーカー:左下/下/右下】
魚族・海竜族・水族モンスターを含むモンスター2体以上
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードのリンク先の水属性モンスターを相手は効果の対象にできない。
②:水属性モンスターがカードの効果を発動するために墓地へ送られた場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「アビス」装備魔法カード1枚を選び、手札に加えるかこのカードに装備する。
③:このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。デッキから「海皇」モンスターか「水精鱗」モンスター1体を手札に加える。
①の効果はリンク先の水属性モンスターに対象耐性を付与する効果。属性は限定されるものの「スプライト・エルフ」のように最大3体まで耐性が付けられる。
②の効果はデッキ・墓地から「アビス」装備魔法カードのサーチまたは装備する効果。「アビス」装備魔法カードは全部で4種類あり、内3種類は一度だけモンスター・魔法・罠効果をそれぞれ無効化出来る。展開目的であれば新規カード「アビスティング-トリアイナ」が最適となり、リンク4モンスターまでリンク値を伸ばすことが可能。このカード自体には展開の制約はつかないため、汎用モンスターへ繋げる事が出来る。
③の効果は破壊時「海皇」「水精鱗」モンスターのサーチ。相手依存のため能動的な発動は出来ないので注意。
アビスティング-トリアイナ
装備魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の手札・墓地から「海皇」モンスターか「水精鱗」モンスター1体を特殊召喚し、このカードを装備する。
②:装備モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを墓地へ送る事ができる。
③:墓地のこのカードを除外し、自分の墓地・除外状態の魚族・海竜族・水族モンスターを3体まで対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻す。
上記の「皇たる水精鱗-ネプトアビス」でサーチ可能な「アビス」装備魔法カードの新規。
①の効果は「海皇」「水精鱗」モンスターを手札・墓地から特殊召喚し装備する効果。「皇たる水精鱗-ネプトアビス」でこのカードを装備し、墓地のモンスターを蘇生することで展開が可能。
②の効果は破壊を肩代わりする効果。
③の効果は墓地・除外状態の魚族・海竜族・水族モンスターを3体までデッキに戻す効果。デッキリソースを回復するために一躍買える。
今回5枚の新規カードが実装が発表されたわけだが、展開力や相手盤面を返す能力など、「海皇水精鱗」の特性を活かしつつ順当な強化と言える。環境に食い込めるかどうかと聞かれると正直何とも言えないラインではあるが、昨年から続く「炎属性」環境に対して一石を投じる存在になれるか、今後の水属性テーマに注目していきたい。
追加情報で「水属性」特に「海皇水精鱗」で使える魔法カードの追加情報が舞い込んできた。こちらのカードについても、後程解説記事を上げたいと思うので、チェックしてみてほしい。
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