【遊戯王OCG】2024年7月制限改訂発表。改訂内容と来期環境

遊戯王OCG

遊戯王OCGの2024年7月1日から適応されるリミットレギュレーション、通称「制限改訂」が公開されたので、内容とそれらを実施した背景について考察していこうと思う。

 

リミットレギュレーションの詳細

●禁止
カタパルト・タートル【無制限⇒禁止】
カイザーコロシアム【準制限⇒禁止】

●制限
永遠の淑女 ベアトリーチェ【無制限⇒制限】
S:Pリトルナイト【準制限⇒制限】
スネークアイ・エクセル【準制限⇒制限】
No.40 ギミック・パペット-ヘブンズ・ストリングス【無制限⇒制限】
盃満ちる燦幻荘【無制限⇒制限】
サモンリミッター【無制限⇒制限】
●制限緩和
Emヒグルミ【禁止⇒制限】
マジェスペクター・ユニコーン【禁止⇒制限】

●準制限
篝火【無制限⇒準制限】
●準制限緩和
焔征竜-ブラスター【制限⇒準制限】
巌征竜-レドックス【制限⇒準制限】
瀑征竜-タイダル【制限⇒準制限】
嵐征竜-テンペスト【制限⇒準制限】
SPYRAL-ジーニアス【制限⇒準制限】

●制限解除
グローアップ・バルブ【制限⇒解除】
星杯の神子イヴ【準制限⇒解除】
超雷龍-サンダー・ドラゴン【制限⇒解除】
捕食植物オフリス・スコーピオ 【制限⇒解除】
刻の封印【制限⇒解除】

https://yu-gi-oh.jp/news_detail.php?page=details&id=1978

※画像は下記のポストからお借りました。

 

各制限・緩和の考察

禁止

まずは「カタパルト・タートル」についてだが、ここは割と予想した人も多かったはず。OCGは今まで先行ワンキルに関しては強めの規制を受ける傾向にあり、そしてその中核であるバーン系カードには特に影響が大きい。今までもキャノンソルジャーやダークダイブボンバー、重爆撃禽 ボム・フェネクスなど名称ターン1指定がないカードは、いずれも禁止やエラッタなど制限を受けていた。かく言うカタパルト・タートルも一度はエラッタを受け、1ターンに1度とテキストが変更となったが、高攻撃力となった「No.100 ヌメロン・ドラゴン」をリリースしてワンキルを行う「タキオン」デッキなどが、容易に達成できるようになったため、あえなく御用となった。
ただ、現在の環境にいるかと言われるとそんなこともないし、なんなら後述するギミックパペットの方が余程ワンキルが多い気がするが、やはりバーンダメージは許されない事なのだろう。あっちの世界で魔導サイエンティストと久しぶりの再会を楽しんでほしい。

もう1つの禁止カード「カイザーコロシアム」だが、こちらは少し意外だった。前回準制限となったわけである程度環境を見つつ、徐々に制限を掛けていくのかと思っていたのだが、今回一段飛ばしで禁止となった。カイザーコロシアムを強く使えるのが、天盃龍やルーンであり、さらにサイド採用に留まるケースもあったため、そこまで採用率が高いかと言われるといささか疑問に感じる所もある。ただ、実際に対面するとカイザーコロシアムの制圧力はすさまじく、先行に貼らると何もできずにターンを渡すケースも少なくない。遊戯王OCGは相手に何もさせないというのを嫌う傾向にあり(プレイのモチベーション低下)、さらに海外では禁止となっているため、海外環境に合わせての禁止指定となったのかもしれない。またカイザーコロシアム発動中は、ニビルが打てなくなってしまうのも理由の1つかもしれない。

 

制限

一番気になるところは「永遠の淑女 ベアトリーチェ」だろうか。現環境で暴れまくっている「デモンスミス」のキーカードの1つであり、召喚権を使わずにベアトリーチェを立てて、好きなカードを墓地に送ることが出来る。デモンスミスは必要カードが多いため、出張採用されるテーマが限られていたが、最近ではその枚数を差し置いても採用するメリットが大きいため、デモンスミスを採用していないテーマはほとんどいない。一方でデモンスミス自体は特に規制はかかっておらず、さらに言うであればベアトリーチェ自体は1枚でも問題無い。となると、今回ベアトリーチェを制限指定した背景としては、執行猶予期間と考えておいて間違いないだろう。運営もデモンスミスが環境を牛耳る状況は何とかしたいと思いつつ、とは言え発売されて2か月ちょっとで規制を入れるのも憚れるため、「ちゃんと見てますけど一旦は様子見です」とユーザーにアピールしているように思える。「前回準制限だった「S:Pリトルナイト」にも言えることだが、リミットレギュレーションを介してユーザーとコミュニケーションをとっている傾向にあるので、ユーザーライクに力を入れているのかもしれない。おそらく今の環境が変わらなければ、次回以降の改訂で、デモンスミスカード含めて規制が入るだろう。

そして「盃満ちる燦幻荘」が一気に制限入りとなった。天盃龍のキーカードであり、このカードのおかげで天盃龍は妨害を気にすることなく、後攻捲りをすることが出来たのだが、1枚しか採用できなくなった事で、発動時に破壊されてしまうと、その後の展開がかなり厳しくなり、大幅な弱体化は否めない。天盃龍は先行制圧が主力である遊戯王OCGにおいて新たに生まれた後攻捲りテーマであり、今後の新規テーマ1つの有り様のような立ち位置になると個人的には期待していたのだが、やはり後攻時に相手の妨害を何も受けないというのもゲームバランスを大きく損ねていると判断したのかもしれない。先行有利環境は今後も大きくは変わらないと思うが、天盃龍のゲームスタイルは新しい取り組みだったと思うので、様々なテーマを楽しみにしていきたい。

後は変わらず環境にいる罪宝スネークアイの初動カード「スネークアイ・エクセル」が遂に制限指定。これにより罪宝スネークアイ及びその出張テーマ(R・ACEや炎王)は更に弱体化するだろうが、罪宝はストーリーテーマでもあるので、今後更なる新規カードで強化される可能性も高い。
No.40 ギミック・パペット-ヘブンズ・ストリングス」制限は少し意外だった。ギミック・パペットは4月に新規カードをもらって以来、環境にも顔出すようになり、先行ワンキルを容易に行えることでも話題となっているため、今回の規制対象となったのだろうが、ヘブンズ・ストリングス1枚でも先行ワンキル自体は可能なため、今回の規制の影響はそこまで大きくなさそうだ。ただ、その場合は地獄人形の館が必須となるため、先行ワンキルルート確率が下がることとなる。冒頭の「カタパルト・タートル」の件と若干矛盾しているようにも思えるが、こちらも比較的新しいカードのため、更に目立つような動きになれば、更なる規制が入ることになるかもしれない。

「サモンリミッター」制限の理由は「カイザーコロシアム」とほぼ同じだろうが、永続罠カードである点と、2回まで召喚・特殊召喚出来るので、少しだけ甘めの規制に落ち着いたようだ。サーチ手段がない永続罠カードを引く確率を下げるための制限指定という事だろう。「スキルドレイン」や「センサー万別」など、先行に張られると何もできなる系のカードは、今後も制限カードになりそうだ。

 

制限緩和

Emヒグルミ」は先日発売されたアニメーションクロニクル2024で新規カードは発売されたEm(エンタメイジ)に合わせてのエラッタ緩和。モンスターカード効果に名称ターン1指定がなかったのが修正されて制限復帰となった。ヒグルミはかつて初のペンデュラムモンスター禁止を経験し、歴代最速の167日で禁止カード指定となった事でも有名になったが、今回の制限緩和と新規カードで、Emが環境に出てくるかは注目していきたい。

マジェスペクター・ユニコーン」は、昨年の10月に新規カードが実装された「マジェスペクター」と共に緩和されると予想されていたが、一向にされる気配がないまま、今回やっと制限緩和となった。毎ターンフリチェでバウンスを行うカードであり、マジェスペクターの特徴である、効果対象不可と破壊耐性があるため、非常に厄介なカードだ。新規カード実装後も、マジェスペクターは現環境には現れてはいないので、そこまで影響は大きくなさそうではあるが、ヒグルミと共に最後の禁止ペンデュラムカードであり、エラッタはされない状態での緩和ではあるので、今後の活躍に期待したい。

 

準制限

「篝火」が遂に規制を受けた。炎属性一強自体を担ったカードの1枚であり、再録もなかなかされなかったため、カード単価も非常に高く、お財布泣かせなカードではあったが(現在は再録でだいぶ落ち着いたが一時期は3000円を超えることもあった)、今回遂にメスが入った。主に「スネークアイ・エクセル」を引いてくることが多かったため、今回のエクセル規制と共に「スネークアイ」デッキはかなり厳しくなりそうだ。元々規制はいつかはいると言われ続けていたカードであり、今回遂に鉄槌が下ったわけだが、デモンスミス環境が勢力を伸ばしている状況で、今回のエクセル・篝火の同時規制は過剰規制なようにも見える。とは言え種族サーチは、どの種族にも欲しいカードではあるので、今後もいろんな種族のサーチカードは用意してほしいと願ったりもする(その度規制が入りそうな気もするが)。来期以降の環境で、罪宝や炎王がまだ環境に残る場合は、更なる規制もやむを得ないかもしれない。

 

準制限緩和

四征竜が全て制限から準制限に緩和。かつて環境で猛威を振るった「征竜」が準制限まで緩和されることになるとはある意味感動ものではあるが、それだけ環境が激変したという証でもある。今後「征竜」がどこまで環境に食い込んで来るかは未知数ではあるが、恐らくそこまで影響はないと思われる。元々属性サポートやドラゴンサポートが優秀なカードではあるが、やはり手札コストが大きいところや、効果がターン中にいずれか1つしか使えないところなど、最新カードと比べて見劣りは否めない。とは言え効果はどれも優秀なのは間違いないので、いずれどこかのテーマでひょっこり顔を出すこともあるかもしれない。また25周年特別映像「Yu-Gi-Oh! CARD GAME THE CHRONICLES」では、「征竜」の映像も流れていたので、もしかしたら今後新規カード、「闇」や「光」の「征竜」が出てくる可能性も捨てきれない。

 

制限解除

制限解除は、元々制限・準制限だったカードが軒並み解除している。恐らく現環境において解除しても特に問題ないと判断されたのだろう。禁止からの制限緩和は後々新規カードが実装されることを鑑みて、中々緩和に踏み切れない事が多いのかもしれないが、制限・準制限からの緩和は現環境においてそこまで影響がないと判断されやすい傾向にあるのかもしれない。特に比較的古いカードかつテーマカードはその傾向が多いように思えるので、今後も期待したいところだ。

 

まとめ

全体的に見渡して、大方納得のいく制限改訂だったと思う。粛声やユベルに規制が入らなかったのは意外だったが、デモンスミス、罪宝、天盃龍に比べればそこまで環境で暴れてないと判断されたのかもしれない。とは言え来期の環境はこのあたりのテーマが軒並み勢力を伸ばしていくことになりそうであり、特にほぼ規制されなかったデモンスミスは、あらゆるテーマに出張し大会を勝っていくことだろう。

となると、気になるのは2024年7月27日発売予定の新パック「RAGE OF THE ABYSS(レイジ・オブ・ジ・アビス)」だ。今のところ、エクシーズテーマの「シャークデッキ」や、様々なモンスターを強化させる「メタル化」、通常モンスターをサポートする「原石竜」などが発表されているが、この他にもどんなテーマが発表され環境に食い込んでいくか注目していきたい。

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