【遊戯王OCG】E-HERO新規カード実装!カード詳細と展開を解説

遊戯王OCG

2024年10月26日発売予定の新パック「SUPREME DARKNESS(スプリーム・ダークネス)」にて、「E-HERO(イービルヒーロー)の新規カードの収録が発表された。

 

「E-HERO」は2019年6月に発売された「デュエリストパック-レジェンドデュエリスト編5-」でカテゴライズされたテーマで、アニメ「遊戯王GX」の作中で主人公「遊城十代」の心の闇「覇王十代」によって誕生した「HERO」だ。「E-HERO」には対となる「E・HERO(エレメンタルヒーロー)」が存在し、また「E-HERO」に属する融合モンスターはダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚出来る」という召喚条件を持っている。

 

【ダーク・フュージョン】

通常魔法
①:自分の手札・フィールドから、悪魔族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン相手の効果の対象にならない。

 

「E-HERO」を構築しようとした場合、上記の「ダーク・フュージョン」を含めて専用の構築をしなくてはならない点や、実装された時期がだいぶ昔だったこともあり、現存の「HERO」デッキと比較して一歩劣る性能となっていた。
しかし、今回新パックで現代遊戯王に合わせた新規カードが実装されたことで、「E-HERO」をメインに据えたデッキ構築が出来るようになった。また、E・HERO ネオス」が覇王化したことでも話題に上がっている。新規カードは全9種。どういった効果を持っているのか詳細を見ていく。

 

メインモンスターカード

メインモンスターは「E-HERO」全3種。元となる「E・HERO」が存在し、それぞれ「ダーク・フュージョン」をサポートする効果を持っている。

 

E-HERO トキシック・バブル

星4 水属性
悪魔族/効果 ATK/ 800 DEF/1200
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードは手札から特殊召喚できる。この方法で特殊召喚したターン、自分は「HERO」モンスターしか特殊召喚できない。
②:このカードが特殊召喚した場合、「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスターが自分フィールドに存在していれば発動できる。自分は2枚ドローする。

元となった「E・HERO」は「E・HERO バブルマン・ネオ」だが、効果的には「E・HERO バブルマン」に近い内容となっている。

①の効果は手札から特殊召喚出来る効果。ただしこの効果を使った後は「HERO」モンスターしか特殊召喚できなくなる制約が付く。「HERO」デッキは「HERO」カードを中心に構築されるケースが多いが、EXデッキ以外の特殊召喚にも引っかかるため、汎用カードを採用している場合は注意。
②の効果は「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスターがいる場合2枚ドローする効果。このカードを採用する場合は、必然的に「E-HERO」デッキとなるだろう。①の特殊召喚からそのまま②のドロー効果に繋げられる。

 

E-HERO デス・プリズン

星4 光属性
岩石族/効果 ATK/1700 DEF/1100
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスターが自分フィールドに存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
②:デッキから「HERO」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。このターン、「HERO」融合モンスターを融合召喚する場合、表側表示のこのカードはその融合モンスターにカード名が記された融合素材モンスター1体として代用できる(他の融合素材は代用できない)。

元となった「E・HERO」は「E・HERO プリズマー」。「E-HERO」は原則「悪魔族」に統一されているが、このカードが「岩石族」となる。恐らく「E-HERO ダーク・ガイア」の融合素材に「岩石族」を指定しているからだろう。

①の効果は「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスターがいる場合手札から特殊召喚できる効果。主に「E-HERO」デッキでの使用を想定しているが、②の効果は汎用的な効果となっているため、他の「HERO」デッキでも採用は検討出来る。
②の効果は「HERO」モンスターをデッキに落とすことで融合素材代用モンスターになれる効果。「E-HERO」に限らず「HERO」全般を墓地に落とせる。また墓地落としはコストのため、無効時でも最低限の仕事は出来る。この辺りは、元となったカード「E・HERO プリズマー」と同じ効果となっている。「E-HERO」の場合は「E-HERO」をリクルート出来る「E-HERO シニスター・ネクロム」を墓地に落とせばその後の展開もしやすくなる。

 

E-HERO ヘル・ライダー

星6 風属性
悪魔族/効果 ATK/2100 DEF/ 800
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「ダーク・フュージョン」1枚を手札に加える。
②:自分の墓地からモンスター4体とこのカードを除外して発動できる。デッキから「超融合」1枚を自分フィールドにセットする。相手ターン終了時まで自分は、「HERO」モンスターしか特殊召喚できず、「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスターをそれ以外の効果でも融合召喚できる。

元となった「E・HERO」はアニメ遊戯王GXで作中に登場しているOCG未実装の「デーモン・ピカドール」と言われているが定かではない。

①の効果は召喚・特殊召喚時に「ダーク・フュージョン」をサーチ・サルベージする効果。上級モンスターかつ自己召喚効果を持たないため、フィールドに出すためにはひと工夫が必要。墓地に「E-HERO シニスター・ネクロム」がいれば効果でリクルートする事が出来るため、サーチした「ダーク・フュージョン」を使って融合召喚が出来る。
②の効果はモンスター4体と自身を除外して「超融合」をセットする効果。除外するモンスターは何でもよい為発動はしやすい。「超融合」はセットしたターンには発動出来ないため、相手ターン以降での発動となる。ただしこの効果を発動後、相手ターン終了まで「HERO」しか特殊召喚出来なくなるため、「超融合」の融合先が限定されてしまう点は注意。また『「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスターをそれ以外の効果でも融合召喚できる』効果というかなり強引な制約無視も一緒に適応されるため、「超融合」で「E-HERO」の融合召喚も可能になる。

 

 

融合モンスターカード

融合モンスターカードは「E-HERO」融合モンスターが全3種収録。妨害効果・サーチ効果・戦闘強化効果などかなり使いやすいカードが多い為、「E-HERO」デッキのパワー底上げとなっている。

 

E-HERO ネオス・ロード

星10 闇属性
悪魔族/融合/効果 ATK/2500 DEF/2000
「E・HERO ネオス」(またはそのカード名が記された融合モンスター)+フィールドの効果モンスター
このカードは「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる。このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが特殊召喚した場合、またはこのカードがモンスターゾーンに存在する状態でモンスターが相手の墓地へ送られた場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのコントロールを得る。
②:フィールドのこのカードは戦闘・効果では破壊されない。

元となった「E・HERO」は当然「E・HERO ネオス」。「ネオス」に「覇王十代」の鎧を装着したような姿をしている。ついにあの「ネオス」が覇王化したことでも話題となった。

他の「E-HERO」融合モンスター同様、「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる召喚条件を持つ。融合素材に「E・HERO ネオス」(またはそのカード名が記された融合モンスター)が指定されているため、「E-HERO」デッキでは特殊召喚しにくい。なので「E-HERO デス・プリズン」の融合素材代用効果を使うのがスムーズだろう。

①の効果は特殊召喚時またはモンスターが相手の墓地へ送られた時相手モンスターのコントロールを得る効果。自分のターンであれば特殊召喚時、相手ターンであれば戦闘や効果による墓地送りはもちろん、特殊召喚の素材や手札誘発カードを使用したときも発動するため、発動条件はかなり緩い。また効果は永続のため根こそぎ相手のモンスターを奪うことが出来る。
②の効果は戦闘・効果破壊耐性。場持ちが良くなり①の効果をより狙いやすくなった。

「E-HERO」において今まであまりなかった妨害持ちであり、自分・相手ターンに使える汎用的効果となるため、積極的に特殊召喚を狙っていきたい。

 

E-HERO インフェルノ・ウィング-ヘルバック・ファイア

星6 炎属性
悪魔族/融合/効果 ATK/2100 DEF/1200
「E・HERO フェザーマン」か「E・HERO バーストレディ」+「HERO」モンスター
このカードは「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる。このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが特殊召喚した場合に発動できる。融合モンスターを除く、「ダーク・フュージョン」またはそのカード名が記されたカード1枚を自分のデッキ・墓地から手札に加える。
②:自分の「HERO」モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合に発動する。相手に2100ダメージを与える。

元となった「E・HERO」は「E・HERO フレイム・ウィングマン-フレイム・シュート」。既に「E-HERO インフェルノ・ウィング」という「E-HERO」は存在し、そのモンスターの攻撃名が「ヘルバック・ファイア」のため、このモンスター名となった(「E・HERO フレイム・ウィングマン-フレイム・シュート」も同様の理由)。

他の「E-HERO」融合モンスター同様、「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる召喚条件を持つ。融合素材に「E・HERO フェザーマン」か「E・HERO バーストレディ」を指定しているため、デッキに採用するか「E-HERO デス・プリズン」の融合素材代用効果を活用したい。

①の効果は特殊召喚時「ダーク・フュージョン」またはそのカード名が記されたカードをサーチ・サルベージする効果。「E-HERO」デッキの重要カード「E-HERO アダスター・ゴールド」と同じ効果を持つため、中継地点として非常に重要なカードとなる。このカードの効果で「E-HERO デス・プリズン」を手札に加えれば更に展開が可能。
②の効果はバーン効果。「HERO」モンスターが戦闘でモンスターを破壊する時に発動するため、自身以外の「HERO」モンスターでも問題無し。同時実装される「E-HERO ダーク・ナイト」や「E-HERO ダーク・ガイア」であれば戦闘破壊がしやすくなるためシナジーがある。

 

E-HERO ダーク・ナイト

星8 地属性
悪魔族/融合/効果 ATK/1600 DEF/ 0
悪魔族モンスター+戦士族モンスター
このカードは「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる。
①:相手フィールドのモンスターの攻撃力は、このカードの融合素材としたモンスターの元々の攻撃力の合計分ダウンする。
②:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
③:特殊召喚した表側表示のこのカードが相手によってフィールドから離れた場合、自分の墓地の悪魔族・戦士族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

元となった「E・HERO」は現状不明だが「E-HERO ダーク・ガイア」とは効果やステータスの面から類似点が多い。

他の「E-HERO」融合モンスター同様、「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる召喚条件を持つ。融合素材は「悪魔族」と「戦士族」のため、「E-HERO」デッキに「E・HERO」モンスターを採用すればハードルは高くない。

①の効果は相手モンスターの弱体化。融合素材2体分の攻撃力をダウン出来る為、素材によってはかなりの数値を下げられる。また効果は全体に及ぶため、②の連続攻撃を有効的に行える。また「E-HERO マリシャス・ベイン」の破壊範囲を広げることも出来る。
②の効果は2回攻撃効果。直接攻撃でも問題ない為、3200分のダメージを与えることが可能。
③の効果は相手によってフィールドから離れた時「悪魔族」「戦士族」モンスターを守備表示で蘇生する効果。相手依存となるため、蘇生時効果を発動できるモンスターや壁として活用できるモンスターを選びたい。

 

魔法カード

魔法カードは「E-HERO」や「ダーク・フュージョン」に関するカード全2種。「E-HERO」でより戦いやすくなるよう、融合召喚や展開補助といった効果となっている。

 

ダーク・コンタクト

通常魔法
①:以下の効果から1つを選択して発動できる(このカード名の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度しか選択できない)。
●自分のフィールド・墓地・除外状態のモンスターを融合素材としてデッキに戻し、「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスター1体を「ダーク・フュージョン」による融合召喚扱いで融合召喚する。
●デッキから「覇王城」か「ダーク・フュージョン」1枚を手札に加える。

①の効果はフィールド・墓地・除外からデッキに戻して「ダーク・フュージョン」の効果でのみ特殊召喚できる融合モンスターを融合召喚する効果、または「覇王城」か「ダーク・フュージョン」をサーチする効果。
1つ目の効果は墓地・除外からも素材を選べるため、無駄なく融合召喚が出来、かつデッキリソースの回復にもなる。もし手札のモンスターを使用したい場合は、2つ目の効果で「ダーク・フュージョン」をサーチすれば問題無しため、1つ目と2つ目、より欲しい効果を選べる無駄のないカードとなっている。

カード名と効果から「E・HERO」版コンタクト融合「ミラクル・コンタクト」と類似している。

 

イービル・アサルト

通常魔法
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札を1枚捨てて発動できる。デッキからレベル4以下の「E-HERO」モンスター1体を選び、手札に加えるか特殊召喚する。このカードの発動後、ターン終了時まで自分は「HERO」モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
②:このターンに墓地へ送られていないこのカードを墓地から除外して発動できる。自分の墓地から「ダーク・フュージョン」1枚を手札に加える。

①の効果は手札を1枚捨てレベル4以下の「E-HERO」をサーチ・リクルートする効果。「ダーク・フュージョン」に関するカードをサーチ出来る「E-HERO アダスター・ゴールド」のサーチか、任意の「HERO」を墓地落としできる「E-HERO デス・プリズン」が有力候補。ただし、この効果の発動後「HERO」モンスターしかEXデッキから特殊召喚出来なくなるが、「HERO」デッキは「HERO」中心の採用になりがちなのであまりデメリットは感じないだろう。
②の効果は「ダーク・フュージョン」をサルベージする効果。発動したターンには使えないため、それ以降継続して戦うために活用しよう。

カードイラストに映っているモンスターは「E-HERO ヘル・ゲイナー」。効果の関連性は特に無い。

 

罠カード

罠カードは全1種。相手カードを無効にする妨害効果を持っている。

 

ダーク・スプレマシー

通常罠
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の墓地の、「ダーク・フュージョン」及びそのカード名が記された魔法カードの数まで、相手フィールドの表側表示カードを対象として発動できる。そのカードの効果をターン終了時まで無効にする。
②:このターンに墓地へ送られていないこのカードを墓地から除外し、自分の墓地・除外状態の「HERO」モンスターを5体まで対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻す。

①の効果は相手フィールドの表側表示カードを無効にする効果。墓地の「ダーク・フュージョン」及び関連する魔法カードの数まで対象が増やせるため、墓地の枚数が多いほどより強力な効果となる。
②の効果は墓地・除外状態の「HERO」モンスターを5体までデッキに戻す効果。5対までのため、必要に応じた数をデッキに戻せるため、小回りが効く。

 

基本的な展開

今回実装された「E-HERO」カードのお影で「E-HERO」カードだけでもある程度展開が出来るようになった。

初動:「E-HERO アダスター・ゴールド(アダスター)」

「アダスター」の効果で「イービル・アサルト」をサーチ。「イービル・アサルト」を発動し「E-HERO デス・プリズン(プリズン)」をリクルート
「プリズン」の効果で「E-HERO シニスター・ネクロム(シニスター)」を墓地落とし。
「シニスター」の墓地効果で「E-HERO ヘル・ライダー(ライダー)」をリクルート。
「ライダー」の効果で「ダーク・フュージョン」サーチ。
「ダーク・フュージョン」の効果で「プリズン」と「ライダー」を素材に「E-HERO インフェルノ・ウィング-ヘルバック・ファイア(インフェルノ)」を融合召喚。
「インフェルノ」の効果で任意のカードをサーチ。

ここまでは繋がるので、後は手札の状況に応じて「インフェルノ」のサーチ先を変更すれば更に展開を行える。

 

総評

今まではデッキパワーが低かったことで「E-HERO」単独でデッキ構築をするのが難しく、「E-HERO アダスター・ゴールド」「ダーク・コーリング」「E-HERO マリシャス・ベイン」の出張採用くらいしかなかったが、今回の新規カード実装により、遂に「E-HERO」の純構築を目指せる所まで来た。アニメファンやHEROファンにとっても非常に喜ばしいニュースだ。
また「E-HERO」の制約についても「HERO」縛りしかないため、従来の「E・V・M・D・X」「HERO」カードとも組むことは引き続き可能なため、「HERO」デッキの更なる拡張性として活躍してくれることだろう。

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