【遊戯王OCG】「白き森アザミナ」テーマに属する新規カードの詳細及び展開を解説

遊戯王OCG

2024年10月26日発売予定の新パック「SUPREME DARKNESS(スプリーム・ダークネス)」にて、既存テーマ「白き森」「アザミナ」の新規カードの収録が発表された。

「白き森」は2024年4月に発売されたINFINITE FORBIDDENで初登場したテーマで、「アザミナ」は2024年7月に発売されたRAGE OF THE ABYSSで初登場したテーマだ。「白き森」はシンクロ主体、「アザミナ」は融合主体のテーマのため、特別相性の良いテーマではなかったが、今回新規実装されたカードによって、双方のテーマがサポートされることになり、よりシナジーの高いテーマとなった。「白き森」「アザミナ」は同じストーリーテーマであるため、いずれこうなる運命だったのかもしれない。

ストーリー面から見ると、「罪宝」にまつわる「黒魔女ディアベルスター」と「原罪のディアベルゼ」の物語であり、「白き森」は過去のストーリー、「アザミナ」は現在のストーリーが描かれていると考えられる。ただ、時系列がかなり複雑に描かれているため現状でははっきりしない点も多い。今後発売されるであろうヴァリアブルブックでの補完を期待したい。本ブログではカード効果に焦点を当てて解説していく。

ちなみに2024年10月11日に「アザミナ」及びその融合体に関する情報もリリースされたため、そちらについても別で記事にして解説していこうと思う。

 

白き森の聖徒(アザミナ)リゼット

レベル2 光属性
幻想魔族/効果 ATK/ 0 DEF/ 0
このカード名の①②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:手札のこのカードを相手に見せて発動できる。手札から「白き森」モンスターか「アザミナ」モンスター1体を特殊召喚する。
②:自分メインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、「アザミナ」融合モンスター1体を融合召喚する。
③:このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「罪宝」カード1枚を手札に加える。

レベル2・幻想魔族光属性のモンスターで、手札から特殊召喚する効果と、融合召喚効果、「罪宝」カードのサーチ効果を持つ。「白き森のリゼットがアザミナ化した姿だと思われる(アザミナ化が何かと言われると確かなことは分かっていないのだが、呪いや妖などの類と推測される)。

①の効果は手札のこのカードを見せて「白き森」や「アザミナ」を手札から特殊召喚する効果。自身を特殊召喚する事も出来るため、召喚権を使わずにフィールドに出せる「幸魂」のような効果を持っている。サーチ効果などは無いため、初動とはならずこのカードとプラス何かカードが必要になる。しかし、このカードがあれば、「アザミナ」「白き森」それぞれのカードを召喚権無しで特殊召喚出来るため、両テーマの懸け橋となれる万能カードだ。

②の効果は「アザミナ」融合モンスターを融合召喚する効果。「アザミナ」融合モンスターは全て幻想魔族が素材となるため、このカード自身が素材となれる。「白き森」を採用していれば魔法使い族・光属性が素材の「背信聖徒シルヴィア」と「告死聖徒ルシエラーゴ」は融合召喚しやすい。レベル6のシンクロモンスターである「ドロドロゴン」をシンクロ召喚すれば③の効果を使いつつ、更なる融合召喚も狙いやすくなる。

③の効果は「罪宝」カードのサーチ効果。「白き森」であれば追加実装される「白き森の罪宝」や「罪宝の囁き」、アザミナであれば「罪宝の欺き」が有力候補になる。

今まで「白き森」と「アザミナ」はシンクロと融合で戦うテーマであったので、シナジーを見出しにくかったが、このカードのおかげで複合デッキが非常に組みやすくなった。「アザミナ」は「スネークアイ」と組むパターンが主流だったが、10月の改定で「罪宝」及び「スネークアイ」が大幅規制を受けたため、新たな複合先のテーマとして確立できるかもしれない。

 

白き森の罪宝

速攻魔法
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分フィールドに悪魔族・幻想魔族・魔法使い族モンスターのいずれかが存在する場合、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●手札から悪魔族・幻想魔族・魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。
●自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、融合モンスター1体を融合召喚する。
②:このカードがモンスターの効果を発動するために墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを自分フィールドにセットする。

「白き森」及び「罪宝」テーマに属する速攻魔法で、手札から特殊召喚する効果、融合召喚する効果、自分フィールドに再セットする効果(白き森魔法・罠カードの共通効果)を持つ。「白き森の聖徒リゼット」同様、「白き森」と「アザミナ(罪宝)」両テーマで活かしやすいカードである。

①の効果は悪魔族・幻想魔族・魔法使い族を手札から特殊召喚または融合召喚する効果。自分フィールドに悪魔族・幻想魔族・魔法使い族がいる時限定だが、「白き森」または「アザミナ」であれば容易だろう。展開の補助として使いやすい。もう一つの効果は通常の融合召喚効果であるが、速攻魔法であるため相手の妨害にチェーンして、躱すといった運用や、相手ターンに融合召喚を行い、効果を誘発するといった使い方も出来る。そして何より、融合素材及び融合先に一切の縛りが付かないため、発動さえ出来てしまえば、好きな融合召喚が可能となる。とは言え、悪魔族・幻想魔族・魔法使い族という発動の制限が付くため、それらの種族を使うテーマが一番有効。「アザミナ」であれば「飢渇聖徒エリュシクトーン」が相手ターンの妨害効果を使える。

②の効果はモンスター効果のコストで墓地に送られたとき再セットする効果。「白き森」魔法・罠カードの共通効果となる。速攻魔法のため、セット後そのターン中に発動は出来ないので注意。

「白き森」「罪宝」両方のカテゴリ名を持つため、「白き森」「アザミナ」どちらの効果でも使いやすくサーチもしやすい。ただし「アザミナ」魔法・罠カードの効果で墓地に送られた時は②の効果は発動しないので注意。

 

プレイ・ザ・ディアベル

速攻魔法
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:魔法・罠カードがカードの効果を発動するために墓地へ送られた場合に発動できる。手札・デッキ・EXデッキから幻想魔族・魔法使い族モンスター1体を墓地へ送る。
②:自分メインフェイズに、自分の墓地からこのカードを含む魔法・罠カード3枚を除外して発動できる。自分の手札・墓地から「ディアベル」モンスター1体を特殊召喚する。

「ディアベル」に属する速攻魔法で、モンスターの墓地落とし効果と、「ディアベル」モンスターの特殊召喚効果を持つ。「ディアベル」という名称は、「黒魔女ディアベルスター」と「原罪のディアベルゼ」がいたものの、テキストに「ディアベル」と指定されたのは、今回が初めて。イラストには「白き森の聖徒リゼット」が戦う姿が描かれている。

①の効果は手札・デッキ・EXデッキから幻想魔族・魔法使い族モンスターを墓地落としする効果。発動条件は「白き森」発動時の共通効果で満たすことが出来る。墓地に落とす事で効果が発動するモンスターを落とすのが有効であるが、②の効果で蘇生するために「黒魔女ディアベルスター」か「原罪のディアベルゼ」を落とす選択もあり。

②の効果は手札・墓地から「ディアベル」モンスターを特殊召喚する効果。墓地の魔法・罠カードを3枚除外する必要があるためコストは重め。かつ「白き森」や「罪宝」は再利用するケースも多いため、除外は再利用が難しい汎用カードなどを選ぶといいだろう。

 

ライク・ザ・ディアベル

速攻魔法
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:魔法・罠カードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。自分の手札・墓地から魔法・罠カード1枚を自分フィールドにセットする。この効果でセットしたカードはこのターン発動できない。
②:自分メインフェイズに、自分の墓地からこのカードを含む魔法・罠カード3枚を除外して発動できる。自分の手札・墓地から「ディアベル」モンスター1体を特殊召喚する。

①の効果は手札・墓地から魔法・罠カードをセットする効果。コストではなく効果で魔法・罠が墓地に送られた場合という発動条件のため、「アザミナ」の融合召喚効果がこれに該当する。シンプルに破壊やデッキ落としでも発動するため、「プレイ・ザ・ディアベル」よりは発動条件は満たしやすい。手札・墓地どちらからでもセット可能だが、再利用や素材に使うために、墓地からセットするケースが多いだろう。

②の効果は手札・墓地から「ディアベル」モンスターを特殊召喚する効果であり、「プレイ・ザ・ディアベル」と使い方は同じ。

 

目醒める罪宝

通常罠
このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①:自分フィールドにレベル5以上の幻想魔族モンスターが存在し、相手フィールドにモンスターが3体以上存在する場合、相手フィールドのカードを3枚まで対象として発動できる。そのカードを手札に戻す。
②:このカードが墓地に存在し、自分フィールドにレベル5以上の幻想魔族モンスターが存在する場合に発動できる。このカードを自分フィールドにセットする。この効果でセットしたこのカードはフィールドから離れた場合に除外される。

「罪宝」テーマに属する通常罠カードで、相手のカードのバウンス効果と、再セット効果を持つ。イラストには「白き森の聖徒リゼット」が描かれており、時系列的には「プレイ・ザ・ディアベル」より後の話か。

「ディアベル」に属する速攻魔法で、魔法・罠カードをセットする効果と、「ディアベル」モンスターの特殊召喚効果を持つ。「プレイ・ザ・ディアベル」と対をなすようなカードで、イラストは「白き森のアステーリャ」が大きくなった姿が描かれている。「白き森」の出来事を経て「黒魔女ディアベルスター」になるまでの過程なのかもしれない。

①の効果は相手フィールドのカードを3枚までバウンスする効果。自分フィールド上にレベル5以上の幻想魔族がおり、かつ相手のモンスターが3体以上いる時と条件は厳しいが、効果は破格。「アザミナ」融合モンスターは全てレベル5以上の幻想魔族のため、こちらの条件はクリアしやすいが、後は相手依存の効果となってしまう。

②の効果は墓地のこのカードを再セットする効果。①の効果と同様に自分フィールド上にレベル5以上の幻想魔族が必要であるが、「アザミナ」デッキであればハードルは低い。特に「アザミナ」カードでこのカードを墓地に送り「アザミナ」モンスターを融合召喚出来れば、その時点で再セット出来る為、無駄が無くなる。「微睡の罪宝-モーリアン」と同じ効果を持っている。「微睡の罪宝-モーリアン」より効果が強力な分、発動条件は厳しい為どちらのカードを優先して採用するか環境なども合わせてよく考えたいところ。

Version 1.0.0

 

「白き森」「アザミナ」展開について

まず前提として、「白き森」や「アザミナ」は2枚から展開が始まるため、完全な1枚初動ではない。

展開例
「白き森」…「白き森」モンスター+コストに使う魔法・罠カード
「アザミナ」…「罪宝の欺き」+「罪宝」魔法・罠カード

しかし、召喚権やコストを使わずに特殊召喚出来る「白き森の聖徒リゼット」が登場したことで、展開のしやすさが緩和された。「白き森のシルヴィ」の1枚から解説していく。

 

初動:「白き森のシルヴィ」1枚

・「白き森のシルヴィ」を通常召喚。①の効果で「白き森のいいつたえ」をサーチ。
・「白き森のいいつたえ」の①の効果で「白き森の聖徒リゼット」をサーチ。
・「白き森の聖徒リゼット」の①の効果で自身を見せて手札から特殊召喚
・「白き森のシルヴィ」と「白き森の聖徒リゼット」で「白き森の魔性ルシエラ」をシンクロ召喚
・「白き森のシルヴィ」の①の効果で「魔法・罠カード」が手札にあれば、それをコストに「白き森」カードか「魔法使い族・光属性」モンスターをサーチ。
・墓地に送られた「白き森の聖徒リゼット」の③の効果で「罪宝」カードをサーチ。

白き森の魔性ルシエラ」をシンクロ召喚時に、「白き森の魔性ルシエラ」と「白き森の聖徒リゼット」のサーチ効果がそれぞれ発動するが、手札に状況に応じてどのカードをサーチ可能か

①「白き森の魔性ルシエラサーチ先ついて
→コストがあれば、「白き森」カードか「魔法使い族・光属性」モンスターをサーチ出来る為、展開に足りない方のカードを手に入れる。

■「白き森」魔法・罠カードが手札にある場合
・「白き森のリゼット」をサーチ。
・墓地に送られた「白き森」魔法・罠カードをセットした後、①の効果で特殊召喚。
・その後「白き森のルシア」をサーチして特殊召喚し、シンクロ展開

■「白き森」モンスターが手札にある場合
・コスト用の「白き森」魔法・罠カードをサーチして、「白き森」モンスターの特殊召喚。
・その際に「白き森のわざわいなり」をサーチして相手ターンシンクロの準備を行う

 

②「白き森の聖徒リゼット」のサーチ先について

■手札にモンスターカードがある場合
・「罪宝の欺き」をサーチ。「罪宝の欺き」の①の効果で手札のモンスターをリリースして「聖なる薊花」をサーチ。
・「聖なる薊花」の①の効果で「罪宝の欺き」を墓地へ送り「告死聖徒ルシエラーゴ」を融合召喚
・「告死聖徒ルシエラーゴ」の①の効果で「罪宝」カードをサーチ
・「聖なる薊花」の②の効果で墓地の「白き森の聖徒リゼット」をデッキに戻してサルベージ。
・「聖なる薊花」の①の効果で「罪宝」カードを墓地に送り「背信聖徒シルヴィア」を融合召喚

■手札に魔法使い族モンスター(例:白き森)がある場合
「白き森の罪宝」をサーチし、①の効果で手札の魔法使い族モンスター(白き森)を特殊召喚
「白き森」モンスターでシンクロ展開

■手札コストしかない場合
・「“罪宝狩りの悪魔”」をサーチし発動。「黒魔女ディアベルスター」をサーチ
・手札1枚を墓地に送り「黒魔女ディアベルスター」を特殊召喚。②の効果で「罪宝」魔法・罠カードをセット
 →「原罪宝-スネークアイ」…スネークアイ展開
 →「裏切りの罪宝-シルウィア」…汎用妨害
 →「罪宝の欺き」→アザミナ展開

要約すると、完全な1枚初動はないものの、今まで以上に手札の状況に応じて様々な展開ルートが構築できるようになったので、デッキビルドや展開方法の練度に左右されたりなど、非常にやりごたえのあるテーマとなりそうだ。シンクロと融合を合わせたテーマは、相手から見た時何が飛んでくるか分からないという予想の立てにくさがあるため、プレイヤーのアドリブ力が求められる。

 

総評

今回のカード実装で今まで出張採用でしか混合できなかった「白き森」と「アザミナ」が、「白き森の聖徒リゼット」や「白き森の罪宝」という互いのテーマ干渉できるカードが登場したことで、非常に戦略性の高い奥深いテーマとなった。また追加で「アザミナ」モンスターや「アザミナ」融合モンスターが新規で発表されたことで、更にデッキパワーの底上げにも繋がっている。「罪宝」や「スネークアイ」の規制が厳しい中で、「白き森」や「アザミナ」が新たな環境テーマとなれるか注目である。また後日「白き森アザミナ」デッキを構築予定なので、その時は改めてこのブログで紹介する予定だ。

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