【遊戯王OCG】通常モンスターを駆使して戦う「天威」の新カードを解説

遊戯王OCG

2024年10月26日発売予定の新パック「SUPREME DARKNESS(スプリーム・ダークネス)」にて、既存テーマ「天威」の新規カードの収録が発表された。

「天威」は2019年4月に発売されたパック「RISING RAMPAGE」で実装されたテーマで、モンスターは全て「幻竜族」で統一されている。効果モンスターには「効果モンスター以外のモンスター」に関する効果をもっており、通常モンスターやトークンがいる時、またはそもそもフィールドにモンスターがいない時に発動できる効果を持っている。EXデッキからシンクロモンスターやリンクモンスターを特殊召喚して戦う。

今回実装されたカードはメインデッキの効果モンスター、シンクロモンスター、フィールド魔法の3種と数はそこまで大きくはないものの、「天威」の特徴を活かしつつデッキの地力を上げるカードとなりそうだ。早速詳細を見ていこう。

 

天威龍-スールヤ

レベル4 光属性
幻竜族/チューナー/効果 ATK/1600 DEF/ 0
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:幻竜族モンスターか、効果モンスター以外の表側表示モンスターが自分フィールドに存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:このカードが幻竜族SモンスターのS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。EXデッキから「天威」Lモンスター1体を特殊召喚する。その後、自分はこの効果で特殊召喚したモンスターのリンクマーカーの数×1000LPを失う。この効果で特殊召喚したモンスターはL素材にできない。

レベル4幻竜族・光属性のチューナーモンスターで、自己特殊召喚効果と「天威」Lモンスターの特殊召喚効果を持っている。

①の効果は手札からの特殊召喚効果。他の「天威」モンスターと異なりフィールドに効果モンスターがいた場合でも特殊召喚できるため、条件は非常に緩い。(他の「天威」モンスターの効果が「効果モンスターが存在しない場合」)ただし、何もモンスターがいない場合は発動出来ないため、1枚初動にはならない点は注意。「天威」のチューナーはレベル1の「天威龍-アーダラ」しかおらず、同じ「幻竜族」で相性の良い「相剣」は効果でチューナートークンをフィールドに出す必要があるため、相手に効果を無効にされてもシンクロ展開が出来るこのカードは貫通札として有能。

②の効果は自身がシンクロ素材で墓地に送られた時「天威」Lモンスターを特殊召喚する効果。リンクマーカーの数に応じた自傷ダメージを付けるが、L素材に出来ない制約しか付かず、効果も無効にならないため、高リンク帯のリンクモンスターが出せるのは強み。「天威」は横並びが得意なテーマではないため、このカードの効果での特殊召喚も選択肢の1つには入れておきたい。他「天威」カードの効果を使うために、効果を持たない「天威」リンクモンスターを特殊召喚するのもアリだ。

天威の龍仙女」(リンク2)…墓地蘇生、相手フィールドのカード1体を対象に破壊
天威の龍拳聖」(リンク3)…墓地・フィールドの効果モンスター以外の数まで相手フィールドの効果モンスターを選んで破壊
天威龍-サハスラーラ」(リンク4)…攻撃対象耐性、効果耐性、トークン特殊召喚
Version 1.0.0

  

天威龍-ムーラ・アーダラ

レベル8 光属性
幻竜族/シンクロ/効果 ATK/3000 DEF/ 0
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の①の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードがS召喚した場合、自分の墓地・除外状態の幻竜族モンスターが2体以上存在していれば発動できる。デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。
②:フィールドに効果モンスター以外の表側表示モンスターが存在する限り、このカードは以下の効果を得る。
●このカードは相手の効果では破壊されない。
●相手はこのカードを効果の対象にできない。
●このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。

レベル8幻竜族・光属性のシンクロモンスターで、フィールド魔法のサーチ効果と、耐性や2回攻撃効果を付与する効果を持つ。素材に縛りがない汎用シンクロモンスターではあるが、「幻竜族」に関する効果を持っているため、それらを活用するテーマに採用する事になるだろう。

①の効果はフィールド魔法をサーチする効果。シンクロ召喚時に墓地・除外状態の幻竜族がいれば発動可能のため、「幻竜族」を素材にしてのシンクロ召喚さえ行えば必然的に発動条件を満たせる。ただし初手に「相剣」のようなトークンを使ってのシンクロ召喚では条件を満たせない。非チューナーの幻竜族と「天威龍-スールヤ」でシンクロ召喚するのが理想的か。フィールド魔法は好きなカードを選べるため、自由にデッキをカスタマイズできるが、今回同時に収録される「天威無窮の境地」を選ぶのがデザイナーズコンボとなるだろう(詳細は後述)

②の効果は効果モンスター以外のモンスターが存在する時、効果破壊耐性・効果対象耐性・2回攻撃を付与する効果。戦闘に特化した効果であり、打点も3000と高く、相手にモンスターがいなくても2回攻撃出来る為フィニッシャーとして非常に有能。「天威龍-スールヤ」の効果で通常リンクモンスターを特殊召喚して効果を得よう。

 

天威無窮の境地

フィールド魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードの発動時の効果処理として、デッキから「虚ろなる龍輪」か「天幻の龍輪」1枚を手札に加える事ができる。
②:自分フィールドの幻竜族モンスター1体をリリースし、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。
③:自分エンドフェイズに発動できる。このカードを墓地へ送り、自分のデッキ・墓地から「天威無崩の地」1枚を自分のフィールドゾーンに表側表示で置く。

「天威」カテゴリに属するフィールド魔法で、「虚ろなる龍輪」か「天幻の龍輪」のサーチ効果と、モンスター破壊効果、エンドフェイズ時「天威無崩の地」を表側表示で置く効果を持つ。効果は「幻竜族」に関する効果の為、「天威」以外の幻竜族テーマでも採用可能だ。

①の効果は発動時「虚ろなる龍輪」か「天幻の龍輪」をサーチする効果。各カードの効果は以下の通り。

虚ろなる龍輪…①「幻竜族」モンスターの墓地落とし、(効果モンスター以外のモンスターが存在する場合)さらに「天威」モンスターのサーチ
天幻の龍輪…①「幻竜族」モンスターをリリースして「幻竜族」モンスターのサーチ(リリースしたモンスターが効果モンスター以外だった場合、効果を無効にして特殊召喚。②このカードを墓地から除外して「天威」カードをサーチ

「天威」であれば活用しやすく、効果モンスター以外をフィールドに出すことも容易のため追加効果の狙いやすい。また「相剣」であればトークンが効果モンスター以外の条件を満たせるため、相性も良い。

 

②の効果は「幻竜族」モンスターをリリースして対象のモンスターを破壊する効果。対象に取る効果でありリリースも必要になるため、無効などでディスアドバンテージにならないよう注意。

③の効果はこのカードを墓地に送りデッキまたは墓地から「天威無崩の地」を表側表示で置く効果

天威無崩の地…①効果モンスター以外のモンスターにモンスター効果耐性を付与する効果。②相手の特殊召喚時に効果モンスター以外が存在するときカードを2枚ドローする効果。

「天威無窮の境地」は展開補助や自分ターンの効果しか持っておらず、相手ターンに干渉出来る効果は持っていないため、防御兼ドロー効果を持つ天威無崩の地に切り替えていくことになる。「天威」は「効果モンスター以外のモンスター」がフィールドにいる時、効果を発揮するモンスターが多い為、耐性を持たない「効果モンスター以外のモンスター」が必然的に狙われがちだが、このフィールド魔法があればある程度守ることが出来る。また、同時にリソース回復を狙えるため、次ターン以降の動きも確保しやすい。

Version 1.0.0

 

展開について

前提として現状「天威」には1枚初動はなく、同じ幻竜族テーマの「相剣」にも1枚初動は「龍相剣現」しかないため、複数の幻竜族が手元に無いと展開出来ないケースが多い。ただし、「手札の幻竜族を見せて」発動する効果や、「自分フィールドに効果モンスターがいない時に自身を特殊召喚する」など条件自体は緩いので、そこまで展開のハードルが高いわけではないが、注意は必要だ。

※参考:「相剣」展開ルート

初動「龍相剣現」1枚
・「龍相剣現」を発動し①の効果で「相剣師-泰阿」をサーチ。
・「相剣師-泰阿」を通常召喚。①の効果で墓地の「龍相剣現」を除外し、「相剣トークン」を特殊召喚
・「相剣師-泰阿」と「相剣トークン」で「相剣大師-赤霄」をシンクロ召喚
・「相剣師-泰阿」の②の効果で「幻竜族」を墓地落とし(「天威龍-アシュナ」を選べば効果モンスター以外のモンスターがいる時、リクルート効果を狙える)
・「相剣大師-赤霄」の①の効果で「相剣暗転」をサーチ

 

総じて、「天威」の特徴である「効果モンスター以外のモンスター」がいる時に満たす効果をうまく活用出来ており、貫通札兼展開札となる「天威龍-スールヤ」、汎用フィールド魔法のサーチと戦闘特化した「天威龍-ムーラ・アーダラ」、そしてサーチの難しかった各種魔法カードにアクセス出来るようになった「天威無窮の境地」と、実装枚数こそ少ないものの、どれも「天威」の地力を底上げするカードとなった。また、同じく「幻竜族」テーマである「相剣」とのシナジーもある点もあり、様々なデッキカスタマイズが出来そうだ。直近だと「幻竜族」を活用するテーマ「竜華」の存在もあり、様々な型が生まれそうなため、今後の研究が楽しみなテーマとなりそうだ。

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