2023年9月26日、フロム・ソフトウェアは『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』通称『SEKIRO』が世界累計販売本数1000万本を突破したことを発表した。
SEKIROは戦国時代を舞台としたアクションゲームだ。「狼」と呼ばれる孤高の忍びが、「葦名」の侍たちから主である”御子”を守るため、満身創痍になりながら孤独な戦いを描いた作品である。「SEKIRO」は同メーカーから発売されている「ソウルシリーズ」と同じ「死にゲー」と呼ばれるゲームで、「死にゲー」はアクションの難易度が通常のゲームと比べてかなり高く、何度も死んで攻略を覚えるといったゲーム性からそう呼ばれている。
今回の記録は多くのゲーマーが孤独な戦いに挑んだ証であり、そして散っていった記録でもあるのだ。
かく言う自分もSEKIROで何度も遊ばせてもらった。今までゲームはそれなりにやってきたが、死にゲー自体は初めての挑戦だったので、かなり苦戦した記憶がある。特に苦戦したのはラスボスだ。当時ゲーム実況をやっていた自分は、「ラスボスを倒すまで終わらない耐久配信」をやっていて、夜の9時からスタートして、クリアした時間は朝の8時を回っていた。あの時は本当に心折れそうだったが、良くやったと自分で褒めてやりたい。
SEKIROがなぜここまで人々の心を惹きつけるのか。それは純粋な「アクション」を求めているからだと自分は考える。ストーリーの奥深さや、選択肢によって結果が変化するアドベンチャー要素ももちろん魅力の1つではあるが、SEKIROの根幹はやはりアクションゲームだ。「死にゲー」と言われる、時に理不尽な敵の強さに対し、何度も何度も挑戦して、徐々に敵を追い詰める。そして倒した時の達成感と高揚感は何事にも代えがたい。
そして、SEKIROが他の「死にゲー」と一線を画している点は、純粋なアクションスキルを求められることだ。同ジャンルの「ダークソウル」シリーズもSEKIRO同様高いアクションスキルを求められるが、雑魚敵を倒すことでレベルアップしてステータスを上げることが出来る。つまりボスが倒せない時は雑魚狩りをすれば、ある程度難易度を緩和する事が出来る(それでもかなり難しいことは否めないが)
しかしSEKIROにはレベルアップという概念は存在しない。雑魚敵をどれだけ倒しても手に入るのはお金のみで、キャラクター自体のステータスは一切上がらない。随所にあるアイテムを使って、攻撃力やHPを上げることはできるが、手に入るタイミングは限られている。またマルチプレイのような協力プレイも無い為、極論を言ってしまえば、一番最初のボスから自身のアクションスキルのみで突破する必要があるのだ。
しかし、ただ理不尽に難しいわけではない。SEKIROには「体幹」というステータスがあり、敵の体幹をゼロにすると、一撃で相手を葬ることが出来るのだ。この体幹は連続で相手を攻撃するほど効率良く減らせるので、戦い方が上手ければ上手いほどよりスピーディーに攻略できる、アクションが得意な人ほど燃えるシステムが搭載されているのだ。
つまり、SEKIROは死にゲーでありつつ、極限までプレイヤーの「アクションスキル」を求められる純粋なアクションゲームそのものなのだ。
巷では「レベルを上げて物理で殴る」という言葉があるように、どれだけ高い壁があったとしても、コツコツとキャラクターのレベルを上げステータスを上げていけばいつかは倒せるようになる。しかしSEKIROで上がるものはキャラクターのステータスではない。プレイヤー自身のステータスだ。最初はどう避けて良いか分からなかった攻撃も、何度も死んで繰り返し見て覚えることで、少しずつ攻略法を見つけ出していく。そういった成長を積み重ねていき、その成長を実感出来る。だからこそ、今まで倒せなかった敵、クリアできなかった敵を倒せたときの喜びもひとしおなのだ。SEKIROが今日までゲーマーに愛されている理由はここにあると思っている。
もしかしたら今このブログを読んだ人で途中でSEKIROのクリアを諦めてしまった人もいるかもしれない。難しそうということでSEKIROで遊ぶのを躊躇した人もいるかもしれない。ただ、もし興味があるならぜひSEKIROを手に取ってもらいたい。中々ボスが倒せないで投げ出してしまいそうな時も、粘り強く挑み続け、そしてクリアした時の喜びを全身で感じ取ってもらいたい。恐らくその時ゲームが好きでよかったと、思ってくれるはずだ。
あなたが「1000万1本目」のSEKIROプレイヤーになることを願っている。
商品名:SEKIRO: SHADOWS DIE TWIC 発売日:発売中 対応ハード:PS4/Xbox One/Steam 価格:7,600円/4,800円(GAME OF THE YEAR EDITION(PS4)) ジャンル:アクション・アドベンチャー 開発元:フロム・ソフトウェア CERO:D(17歳以上対象)
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