突然だが皆さんは休みの日は何をして過ごすだろうか。1日家に籠ってゲームをする自分みたいな人もいれば、事前にちゃんと予定をしっかり立てて朝早起きして活発的に行動する計画マンもいれば、友達と外出して楽しい思い出をたくさん作るリア充マンもいるだろう。
しかし、どんな人間にも共通して言えることがある。それは時間は皆平等だということだ。どんな風に休みを過ごそうが、1日は24時間しかないわけで、その限られた時間を如何に有効に使うかが、充実した休日となるかどうかに繋がる。(まぁそうはいってもその通り行かないことも往々としてあるわけだが)
それはゲームの世界においても同じ時がある。今日紹介するのは、2022年11月4日にスクウェア・エニックスから発売予定の「ハーヴェステラ」というゲームだ。
このゲームは、農業やダンジョン攻略をしながら、限られた時間や資源を如何に有効的に使うかを考える、いわゆる「リソース管理ゲー」に近いものがある。PVや紹介ページを見ると、のほほんとした農業生活のように感じられるが、実はその逆だということが、この記事を読んでもらえれば理解してもらえるはずだ。
※この記事は「ハーヴェステラ」の体験版のプレイを元に書いているため、製品版は仕様が変更となる可能性があるのを予めご了承いただきたい。
ハーヴェステラってどんなゲーム?
まずこのゲームについてだ。
ハーヴェステラは2022年11月4日、スクウェア・エニックスからSwitch・Steamで発売される「生活シミュレーションRPG」と呼ばれるジャンルのゲームだ。「生活シミュレーションRPG」という耳馴染みのないジャンルではあるが、要するに、「牧場物語」のような農業や酪農をしながら生活を行うシミュレーションゲームにRPG要素が加わったような感じだ。他で言うと「アトリエシリーズ」がこれに近い気がする。
RPGと謳うだけあって、物語やキャラクターの登場、敵との戦闘も当然ある。最初は「スクエニがのんびり生活ライフゲー!?あつもり(あつまれ!どうぶつの森)でもやるのか」と思ったが、蓋を開けてみるとしっかりRPGをやっているので、この辺りはスクエニのお家芸といったところか。
このゲームの大きな特徴として、「時間経過」と「季節」いう概念があるところだ。後述するが、農作業を行ったり、敵と戦闘したり、何もせずただぼーっとしているだけでも時間は過ぎていく。この限られた時間をどう過ごすかはプレイヤー次第だ。
「今日」ではなく「明日」を考えた効率の良い「生活」
ではその「生活」はどういった事を行うのか。
まずは基本の「農作業」から。主人公は村はずれにある庭付き一戸建ての空き家を借りて、そこで農業を営むようになる。鍬を使い土を耕やし、種を撒いて水をやり、出来た作物を収穫する、その作物を「出荷箱」に入れて出荷すると代わりにお金をもらえる、というのが基本の流れだ。このゲームは敵を倒してもお金は手に入らないので、作物や素材を出荷することでお金を得る必要がある。
ここで1つ面白い要素なのが、出荷した際のお金は次の日にならないと手に入らない事だ。先ほど伝えた通りこのゲームは何をしても時間が進む。畑に水をやるのも村に買い物に行くのも全て時間が経ってしまう。そして、夜の24時になり少し時間が経過すると、強制的に1日が終わってしまい、自宅に強制送還させられるのだ。強制送還となると治療費としてお金がかかるだけでなく、次の日の起きる時間が遅くなってしまい、活動時間がさらに短くなってしまう。
それを避けるためには、如何に効率よく農作業をしてお金を稼ぐかを考えて、最後はちゃんとお布団で寝る必要がある。しかし、農作物は出来上がるのに数日かかるのがほとんどなので、すぐにお金が欲しくても手に入らない。ましてや出荷してもお金が手に入るのは次の日なのでなおさらだ。
今日のことではなく、明日明後日の事を考えて今日の作業スケジュールを考えなくてはならないのだ。
このあたりのリソースを管理しだすと中々に面白い。適当に作物を育てるのではなく、
『今日は午前中に農作業と買い出し、午後から村を出てダンジョン攻略、帰ったら手に入った物を出荷、明日いくらお金が手に入るから、そのお金で新しく苗と武器を買って…』
といった感じに1日1日を考えて行動する、まさに「生活シミュレーション」と言われる所以がここにある。
農作業以外にも、料理やクラフトや釣り、体験版にはなかったが加工や家畜といったものもあるらしい。最初は出来ることが少ないが、ストーリーを進める毎にやれることが増えていくので、より「生活シミュレーション」を楽しむことが出来るだろう。
戦闘で大切なことは「スタミナ」管理
次にRPGの部分を見ていこう。
「ハーヴェステラ」はダンジョンにいる敵をそのまま武器で攻撃する、アクションRPGのシステムを採用している。モンスターの素材を取りに行ったり、ストーリーを進める時は村の周りにあるダンジョンに挑むことになるのだが、主人公は直接モンスターを攻撃してダンジョンを攻略する。
さらに、「ファイター」や「メイジ」といった様々なジョブがあり、それぞれ武器や魔法、スキルなど戦闘スタイルが異なる。モンスターによっては、剣が弱点だったり、魔法が弱点だったりと特徴があるので、道中ではジョブを切り替えて攻略するのが良いだろう。
また、他のキャラクターを仲間にすればそのまま戦闘に同行してくれるので、ダンジョンの探索にも役立つだろう。体験版にはなかったが必殺技もあるらしい。
このゲームは、シミュレーションゲームがメインでバトルはあくまでオマケ程度かと思っていたが、こちらももなかなか歯ごたえがあって、やりごたえがありそうだ。
特に重要なのがスタミナ管理だ。先ほどの生活パートでは説明しなかったが、このゲームには「スタミナ」という概念がある。鍬で畑を耕すときなど、農作業でもスタミナを使うのだが、戦闘中にスキルを使ったときやフィールドを走る時もスタミナを消費する。スタミナが切れてしまうと、当然スタミナを使ったコマンドは使えなくなってしまうので、スタミナの管理も実は重要なのだ。
減ったスタミナを回復するためには、食事をして「胃袋ゲージ」を増やして自動回復させるしかない。生肉や草を食べても多少スタミナは回復するのだが、出来ればちゃんとした食事をとりたいところ。
食事は「料理」で作る事が可能なので、ダンジョンに挑む前に食事をある程度用意しておかないと、いざという時にスタミナが無くなってしまう事に繋がりかねない。
つまり「生活シミュレーション」は「RPG」の要素にも深く関わってくるということだ。ダンジョンで手に入れた素材は、料理やクラフトにも使えるので、1日の中で両方をバランスよくこなしていこう。
RPG要素を彩る美麗なキャラクター達
「ハーヴェステラ」はその美麗なグラフィックも魅力の1つだ。その中でも特に見目麗しいキャラクターたちにスポットを当ててみようと思う。
・主人公
プレイヤーの分身と呼べる存在。ストーリー中は会話しないタイプの主人公。性別は男性・女性・ニュートラルの3種。声と見た目は男性タイプと女性タイプの2種類から選べる。目と髪の色を何種類から選べるので自分の好きなタイプを選ぼう。
村の近くで倒れていたところを村医者に助けられたところから物語は始まる。名前以外の記憶がなく行くあてもなかったので、何故か村はずれの一軒屋で自給自足の生活をはじめることになる。
・アリア
赤髪の科学者の少女。探索中に何かの事故に巻き込まれ、倒れているところを主人公に助けられた。体験版ではストーリーに絡む程度だったが、恐らく一緒に冒険するようになると思われる。
・ディアンサス
魔族と呼ばれるものの一人。魔族というものがどういった存在かは明らかになってないが、どうやら村の人間からは忌み嫌われているらしい。ストーリーの途中で主人公と一緒に行動するようになる。杖を使って魔法攻撃を行う。ちなみに最初男性かと思っていたのだが、声が女性だった。
その他にも様々なキャラクターが出るようだ。それぞれジョブ(職業)があるので、恐らくは主人公と一緒に冒険することになるのだろう。どんな特徴があるのか楽しみだ。
ちなみに個人的に主人公を助けた村の女医がセクシーでお気に入りなのだが、冒険には来てくれなさそうだ。残念。
「四季」の間に訪れる「死季」の謎を解き明かすストーリー
ストーリーについても少し触れておこう。
物語の舞台は「シーズライト」と呼ばれる巨大な4つの結晶体が存在する惑星で、そのシーズライトの影響でこの世界には「四季」が存在している。突如シーズライトに異変が生じ、季節の変わり目に「死季」が発生するようになった。死季になると赤い塵のようなものが大気を舞うようになり、その間は作物が枯れ、人々は外を出歩く事すら出来なくなる。「死季」というものが一体何なのかを解き明かしてくのがこのゲームのストーリーだ。
この「死季」という要素はゲーム内にも大いに関係してくる。「ハーヴェステラ」の四季はゲーム時間で30日ごとに変わり、その季節の変わり目に死季が訪れる。体験版は15日しかないので、死季の時にどういったことが起こるかまでは明らかになっていないが、村の中を歩き回ることが出来なくなったり、作物が枯れたりするのだろうか。
体験版を遊んでみて良かったところ・いまいちだったところ
ここまで「ハーヴェステラ」を紹介してきたわけだが、個人的に良かった点といまひとつだった点を挙げてみようと思う。
繰り返しになるが体験版をプレイしての感想となるので、製品版では変更となる可能性があることをご了承いただきたい(とは言えそこまで大きく変わることも無いだろうが)
やはり一番の良かった点は、1日でやることを色々計画を練って行動を考える「リソース管理」にやりがいを感じられることだろうか。昔の「アトリエシリーズ」をご存じの方は分かりやすいかと思うが、かつてのアトリエシリーズはいつまでにやらなくてはならない目標があり、その目標を達成するために、如何に効率よく採集や錬金をするかを考える必要があった。
「ハーヴェステラ」は恐らく期日までに何をしなくてはならない、ということはなさそうな気がするが、それでも日々の生活で、どうすればよりたくさんお金を稼げるか、何を事前に作っておけば冒険で素材をたくさん収集出来るかなど、様々な「効率性」を考えるのは、ある意味シミュレーションゲームの醍醐味と言えるのではないだろうか。また、ストーリーを進める毎に、出来ることや作れるもの、冒険できる場所が増えていくのはやはり楽しいものだ。
RPG要素に関しても、ただ闇雲に殴ればいいわけではなく、弱点属性をついたり、食事をちゃんと用意したり、装備を強化したりなどいろいろ考えることも多い。体験版のボスも中々歯ごたえがあったので、このあたりも楽しみだ。
反面、ひまひとつだった点は、全体的にロード時間が長めだという点。特に村の中で建物に入る時、毎回ロードが入るので少しストレスに感じてしまう。大体2~3秒ほどかかるので、回数が多いと進行がだれてしまうのだ。
ただ、村の中で行く場所は限られているのと、ダンジョンの攻略中はマップ切り替えが発生しないので、余計な行動を取らなければ多少は抑えられるかもしれない。後、今回Switch版をプレイしたのだが、Steam版でやれば多少はマシになる可能性はある。
他には体験版があくまでゲームの基礎を学ぶだけなので、このゲームの魅力がどこまで伝えられるかはちょっと疑問だ。せっかく体験版を遊んでみてもやれることが少ないので、そのままフェードアウトしてしまう人もいるだろう。
こういうゲームはどれだけいろんなことが出来るかが重要なので、その辺りのフォローがあるともっと良いかなと思った。公式サイトには最新情報が少しずつアップされているので、気になる人はこまめにチェックしてもいいだろう。
後はフルボイスじゃなかったことが少し残念だったかなと。少しだけ。
気になる人は体験版をプレイ推奨
「生活シミュレーションRPG 」ハーヴェステラ、いかがだっただろうか。
シミュレーションゲームが好きで、かつ戦闘も楽しみたいという人には結構おススメできるゲームだと思う。ハマる人には結構ハマるはずなので、気になった人はぜひ体験版を遊んで見てほしい。体験版はSwitch版のみで、ストーリーの2章まで、もしくは15日までのプレイとなる。
プレイした内容は製品版に引継ぎが出来るので、購入を検討している人は1回遊んで見るのが良いと思う。限られた15日間でどこまで詰められるかというプレイをしてみても面白いかもしれない。
皆さんもぜひ「ハーヴェステラ」で培った「生活シミュレーション」の力を活かして、現実世界を寄り充実させてほしい。(とは言えダラダラ過ごすのもあれはあれで良いんだよなぁ)
商品名:ハーヴェステラ/HARVESTELLA リリース日: 2022年11月4日(Steam版は11月5日発売) 対応ハード:Nintendo Switch、Steam 価格:7,680円(税込) パッケージ/ダウンロード ジャンル:生活シミュレーションRPG CERO:B 開発元:スクウェア・エニックス
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