【遊戯王MD】2024年7月制限改訂発表。OCGとの規制の差は?

遊戯王マスターデュエル

遊戯王マスターデュエルの2024年7月11日から適応されるリミットレギュレーションが公開された。直前で行われたデュエリストカップの結果が大きく影響しそうではあるが、詳細を見ていこう。

 

リミットレギュレーションの詳細

●禁止
カタパルト・タートル【無制限⇒禁止】 R
カイザーコロシアム【制限⇒禁止】 SR

●制限
サモンリミッター【無制限⇒制限】 SR

●準制限
篝火【無制限⇒準制限】 UR
R-ACEエアホイスター【無制限⇒準制限】 SR
ピュアリィ・リリィ【無制限⇒準制限】 R
●準制限緩和
天霆號アーゼウス【制限⇒準制限】 UR

●制限解除
マジェスペクター・ユニコーン【禁止⇒無制限】 SR
クシャトリラ・バース【準制限⇒無制限】 SR
八汰烏【制限⇒無制限】 UR
星守の騎士 プトレマイオス【制限⇒無制限】 UR

https://x.com/YuGiOh_MD_INFO/status/1806190072548487271

 

各制限・緩和の考察

各制限内容を見る前に最初に伝えたいのが、先日発表された遊戯王OCGの2024年7月のリミットレギュレーションに非常に近い内容の制限改訂だという点だ。

遊戯王マスターデュエルは遊戯王OCGと異なる点として、

・「マッチ戦」ではなく「シングル戦」を前提としている
・実装されているカードに半年以上の差が生じている

といったものが挙げられる。そのため、独自のリミットレギュレーションが制定されている傾向にあり、OCGでは禁止・制限されているカードでもマスターデュエルでは自由に使えるといった状況もある(「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」や「スプライト・エルフ」など)
なので、全く同じ制限にはならなかったり、制限される次期にズレが生じたりするものなのだが、今回は似たような規制内容となっている。ではなぜそのような事になっているのか。その理由についても考察していきたい。

 

ちなみにOCGの2024年7月のリミットレギュレーションについては、先日記事にまとめたのでそちらを参考にしてほしい。

禁止

まずはカタパルト・タートルだ。先行ワンキルを助長する存在としてOCGでも禁止カードとなったカードであるが、マスターデュエルでもやはり許されなかった。エラッタされて1ターンに1回という制限はついたものの、「No.100 ヌメロン・ドラゴン」をリリースしての先行ワンターンキルは、主に「ホルス」デッキで活用されており、デュエリストカップでもたまに見るくらいには採用率が高い。
シングル戦であるマスターデュエルは、サイドデッキによる対策札を入れられないので、先行ワンキルについては硬めの制限が付きやすい。直近だと「超重武者装留ブレイク・アーマー」が超重武者の追加カードが実装される前に禁止になった。マスターデュエルでは現環境で流行っている事にプラスして、将来を見越して早めに規制を入れるという事が今までも行われている。今はまだ実装されていないが、OCGで決め手となった「タキオン」の新カードがいずれ実装されるのであれば、今の内に禁止しても特に問題ないだろうという判断なのだろう。
そうなると現環境上位テーマであり先行ワンキルが狙える「ギミック・パペット」もどこかで早めの規制がかかる可能性はありそうだ。

 

カイザーコロシアムに関しては、遂にと言ったところか。先行で発動された際の制圧力はすさまじくニビルケアも出来るこのカードは、OCGでは制限を1つ飛ばしての禁止指定となった。マスターデュエルではシングル戦で対策がし辛いこともあり、既に制限カードではあったが、サイドデッキによる対策がしやすいはずのOCGですら禁止なので、マスターデュエルでも禁止は止む無しだろう。遅かれ早かれ禁止にするのであれば、OCGが禁止になったこのタイミングで禁止した方が、ユーザーにも浸透しやすいと考えたのかもしれない。いずれにせよ、永続罠・魔法系のカードは硬めの制限方針であるマスターデュエルにおいて、採用率次第では今後も別のカードが選ばれる可能性はあるかもしれない。例えば「魔封じの芳香」なども可能性はありそうだ。

 

制限

制限対象はサモンリミッターのみであり、OCGと同じ無制限から一気に制限カードとなった。理由は「カイザーコロシアム」と一緒で、先行で張られたときの影響力を考慮してのことだろう。「センサー万別」「シンクロ・ゾーン」「スキルドレイン」「群雄割拠」「御前試合」はいずれも制限カードで、今回「サモンリミッター」が仲間入りとなった。マスターデュエルは制圧力の高い永続罠カードに対して強い制限を掛けると思われがちだが、実はOCGにおいても「シンクロ・ゾーン」「御前試合」以外は全て制限指定となっているので、遊戯王というゲームそのものが制圧系の永続罠カードを抑える傾向にあるようだ。今後OCGで活躍した永続罠カードが出た場合、マスターデュエルも後追いする可能性は高い。

 

準制限

OCGと同じく「篝火」が準制限となった。OCGが発売後1年以上経ってから制限したのに対して、マスターデュエルはわずか3カ月の規制となった。やはり環境トップの「スネークアイ」「R-ACE」「炎王」を規制を見越してのことだろう。ただ、既に「スネークアイ・エクセル」や「罪宝狩りの悪魔」が制限指定となっており、既にOCG以上の制限がかかっていたわけだが、7月の改定でOCGと同じ規制内容となった。炎属性一強環境は避けたいものの、発売して間もなくな点と、レアリティがURということもあり、中々規制には踏み込めなかったように思える。が、「罪宝狩りの悪魔」も同じく3か月で規制を受けたということを考えると、発売後3カ月というのが1つのラインのようだ。今後パックを引く時の参考にしたい。

 

R-ACEエアホイスター」が準制限対象となった。各種魔法カードをサーチできる万能カードであり、元々OCGでも準制限だったので、その後を追う形となった。一方で強力な速攻魔法「EMERGENCY!」はノータッチだった(OCGでは制限カード)。こちらに関しては、レアリティの問題もあるだろうが、発売してまだ2カ月のため規制対象にはならなかったのだろう。仮にURでも環境次第では規制に踏み込むと「篝火」で証明されているため、「R-ACE」来月の動向には注意したい。

 

「ピュアリィ・リリィ」も「ピュアリィ」カードをサーチできる万能カードであったが、今回規制の対象となった。
OCGとマスターデュエルの制限の違いはと言うと、

■OCG
制限
ピュアリィ・スリーピィメモリー」 UR
準制限
ピュアリィ・マイフレンド」 UR
ピュアリィ・デリシャスメモリー」 SR

■マスターデュエル
制限
「ピュアリィ・デリシャスメモリー」 SR
準制限
ピュアリィ」 R
「ピュアリィ・リリィ」 R

となっている。
この規制の違いは、「ピュアリィ・マイフレンド」と「ピュアリィ・スリーピィメモリー」が、マスターデュエルだとレアリティ「UR」だから中々制限しにくいのだろう。加えて「ピュアリティ」の使用率もそこまで多くはないので、URまで制限を掛けづらいのかもしれない。とは言え、何も手を加えないというのもどうなのかということで、Rの「ピュアリィ・リリィ」に白羽の矢が立ったわけだ。これでどの程度影響が出るかは未知数ではあるが、既にそこそこの規制は受けているのと、炎属性一強の環境のため、ここから巻き返していくのは少し難しいかもしれない。

 

準制限緩和

驚きの規制緩和として「天霆號アーゼウス」が準制限となった。出しやすさとその効果から、エクシーズモンスターを採用しているデッキであれば、とりあえず入れとけというカードであり、様々なデッキで幅広く使われていた。
ちなみに、2枚まで使えるようになると、どういったことが出来るようになるのか。

・「アーゼウス」の上に「アーゼウス」を重ねて召喚する事が出来る(特殊召喚効果はターン1指定が付いているので、連続では出せないので注意
・「強欲で金満な壺」の効果後でも残る可能性が上がる。
・「クシャトリラユニコーン」の除外候補から外れる(2回選ばないといけないため)

等が考えられるため、エクシーズ主体のテーマやEXデッキに余裕があれば、採用の価値はあるかもしれない。が、正直そこまで劇的に使い方が変わるわけでもないので、なぜこのタイミングで2枚採用を決めたのか。理由は定かではないが、「試験的な運用」もしくは「話題性を狙って」のことかもしれない。マスターデュエルは他のソシャゲとは少し毛色が異なるゲームではあるが、それでも数あるゲームの中でたくさん遊んでもらいたい、というのは開発陣の共通の思いではあるだろうし、「話題性」というのはとても重要な要素だ。そのためには、サプライズ要素や意外性のある事をしてユーザーの興味・関心を引く必要があり、その1つとして「リミットレギュレーションを利用したサプライズ緩和」を狙ったのかもしれない。現に発表後「アーゼウス」はトレンドに上がるほどだったので、この効果を狙っての緩和だったのかもしれない。知らんけど

 

制限解除

ここもOCGと同じ「マジェスペクター・ユニコーン」が禁止から解除となったが、一気に無制限となったのは意外だ。恐らくそこまで影響はないだろうと思った上での判断だとは思うが、この後「マジェスペクター」の新規カードも控えているため、もし環境を取るようなことになれば、また制限という事になるかもしれない。レアリティSRなので、そこまで慎重になる必要はないかもしれないが、デッキを作る人は注意した方が良いかもしれない。

クシャトリラ・バース」は出張採用が一番多く、元から1枚しか採用しないケースが多かったのでそのまま緩和。「八汰烏」「星守の騎士 プトレマイオス」は、OCGでも無制限なので、同じ規制となったのだろう。それぞれドロースキップ、ターンスキップの効果を持っているので、専用構築にしたら面白い使い方が出来るかもしれない。

 

総括

現環境を見つつ環境テーマや先行ワンキル、永続罠カードに対して強い規制となったが、比較してみると今回のマスターデュエルの規制ははOCGにかなり寄り添う形となったのが分かる。KONAMIの内部事情は知らないが、部署は異なりつつも、ある程度連携を取りながら規制内容を決めているのかもしれない。

ただ、マスターデュエルはOCGとは違う規制路線で進んでいるところもあるので、出来ることならばマスターデュエル独自の規制路線に進んでもらいたいという願いがある。OCGで遊んでいる人はマスターデュエルでも遊んでいることも多いと思うので、出来れば2つの環境を楽しめるような差別化はぜひ目指してもらいたい。今回のアーゼウスの準制限やユニコーンの無制限のような「サプライズ緩和」は来月以降も楽しみにしたい。

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