2024年7月29日に実装される新たなセレクションパック「マスターズ・サーガ」に実装されるカードが明らかになった。先日放送された「遊戯王OCGタイムズ」でも一部情報が公開されたが、追加カードも明らかになったため、詳細を見て行こうと思う。
またそれと同時に新たなリミットレギュレーションが7月29日に実施されることになった。驚きのカードが制限緩和されたと話題のため、そちらについてもチェックしてみる。
新規収録カード
究極竜魔導師(マスター・オブ・ドラゴンマギア)
融合・効果モンスター
星12/光属性/ドラゴン族/攻5000/守4000
「青眼の究極竜」(または「ブルーアイズ」モンスター×3)+「カオス」儀式モンスター
このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。
①:相手が効果を発動した時に発動できる(このカード名のこの効果は魔法・罠・モンスターの効果に対してそれぞれ1ターンに1度しか発動できない)。その発動を無効にし破壊する。
②:表側表示のこのカードが相手によってフィールドから離れた場合に発動できる。自分のEXデッキ・墓地から「ブルーアイズ」モンスターか「カオス」儀式モンスター1体を特殊召喚する。
2023年の「QUARTER CENTURY DUELIST BOX」通称:年末箱に収録されたカードで、「青眼の究極竜」の上に「マジシャン・オブ・ブラックカオス」が乗っている、いわゆる「乗っただけ融合モンスター」だ。
このカードは融合召喚でしか融合出来ない効果外テキストを持っている。
①の効果は相手の魔法・罠・モンスター効果をそれぞれ1回ずつ無効にし破壊する効果。ノーコストでそれぞれのカードを無効・破壊するため制圧力はかなり高い。「ブルーアイズ」デッキは先行制圧系のモンスターがあまりいないため、このモンスターを立てることが出来れば、攻撃力も相まって相手にプレッシャーをかける事が出来る。
②の効果は相手によってフィールドから離れた時、EXデッキ・墓地から「ブルーアイズ」モンスターか「カオス」儀式モンスターを特殊召喚する効果。素材となった「カオス」儀式モンスターは蘇生制限の関係上特殊召喚は難しいため、EXデッキの「ブルーアイズ」モンスターを出すケースが多いだろう。
という風に、戦闘ステータス・制圧力・継戦力共に高い能力を持つわけだが、一番のハードルは融合召喚の素材だろう。「ブルーアイズ」デッキの場合「カオス」儀式モンスターは「ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン」が多いと思うが、儀式モンスターは事故要因になりやすい。一方で「ブラックマジシャン」デッキであれば「イリュージョン・オブ・カオス」を無理なく採用出来るが、「ブルーアイズ」側の素材が足らなくなるため、融合代用モンスター等何かしらの工夫が必要になると、どのテーマにおいても簡単には出すことが出来ない。また、「ブルーアイズ」デッキの融合魔法と言えば「究極融合」があるが、この場合素材は「青眼の究極竜」を使わなくてはならない規定となっているため、「ブルーアイズ」モンスターを素材にすることは出来ない。
効果は絶大なものの、出すまでのハードルが非常に高いため、安定して活躍させるのが難しいモンスターではある。ただ、一方で先日「遊戯王OCG」で発表されたブルーアイズのストラクチャーデッキ 「青き眼の光臨」で、EXデッキから「ブルーアイズ」モンスターを装備カード扱いで出すことが出来るようになったので、墓地に「青眼の究極竜」を送りやすく、究極融合の下準備をしやすくなった。OCGにすら実装されていないので、マスターデュエルの実装は大分先になりそうだが、「ブルーアイズ」デッキの未来は明るそうだ。
マジックカード「死者蘇生」
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分か相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。このターン、この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、その効果は発動できない。
このカードはVジャンプ(2024年3月号) に付属していたカードで、「死者蘇生」のリメイクカードだ。OCGの実装からわずか4か月のスピード実装となった。「死者蘇生」と言えば原作「遊戯王」では欠かせないカードで、主人公武藤遊戯を始め数々のデュエリストが愛用しているカードだが、演出の関係もあってか、原作では相手ターンに発動するケースもあり、OCGでの再現は難しかった。そこでこのカードは「速攻魔法」となったため、相手ターンにも発動する事が出来るようになった。これで原作さながらに「リバースカードオープン!マジックカード「死者蘇生」!」と叫べるぞ。
①の効果は自分・相手の墓地のモンスターを蘇生する効果。効果は非常にシンプルで「死者蘇生」同様蘇生したモンスターを素材など様々な使い方が出来る。一方で蘇生したターンは効果の発動が出来なくなるため、効果を使いたい場合は、相手ターンのエンドフェイズに蘇生して、次の自分のターンで効果を使おう。
その他の使い方としては、速攻魔法というフリーチェーンで発動できる特徴を生かして、
・相手の墓地蘇生モンスターを対象にして蘇生を妨害
・墓穴の指名者など、自分の墓地のモンスターが狙われた時のエスケープ
といった使い方も出来るため、「死者蘇生」よりも小回りの利く使い方が出来るだろう。
A★スペキュレーション
融合・効果モンスター
星7/光属性/戦士族/攻2500/守2500
攻撃力2500以上のモンスター+守備力2500以下の裏側守備表示モンスター
自分は「A★スペキュレーション」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
①:このカードは表示形式によって以下の効果を得る。
●攻撃表示:このカードの攻撃力は、相手フィールドのモンスターの一番高い元々の攻撃力分アップする。
●守備表示:このカードは戦闘・効果では破壊されない。
②:攻撃表示モンスター1体と裏側守備表示モンスター1体を自分フィールドからリリースして発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。
「PROMOTION PACK 2024」に収録された融合モンスター。攻撃力2500以上のモンスターと守備力2500以下の裏側守備表示モンスターと、変わった素材指定を持つ。攻撃力の方は手札から素材に出来るが、守備力の方は場にいないと素材に出来ない。
①の効果は攻撃表示の時、自身の攻撃力を相手フィールドモンスターの一番高い攻撃力分アップする効果。戦闘では無類の強さとなるが、その分耐性は一切なくなるので場持ちは良くない。守備表示の時は戦闘・効果では破壊されない効果に変わる。壁役としては適役である。
②の効果は攻撃表示と裏側守備表示モンスターをそれぞれリリースすることで蘇生する効果。融合素材と違いステータスに条件は無いため、蘇生のハードルは低い。
このモンスターの一番の使い方はやはり「超融合」による除去だろう。相手のエースモンスターのほとんどは攻撃力2500以上はあるため、自分の下級モンスターをセットするだけで「超融合」の準備が整う。召喚権、超融合、コスト1枚と3枚もカードを消費してしまうため、使いどころは見極める必要があるが、「沼地のドロゴン」や「共命の翼ガルーラ」を採用しているデッキならば、1枚刺しておいてもいいかもしれない。
ハネクリボー LV6
特殊召喚・効果モンスター
星6/光属性/天使族/攻300/守200
このカード名はルール上「E・HERO」カード、「フェイバリット」カードとしても扱う。
このカードは通常召喚できない。
「ハネクリボー LV6」は1ターンに1度、自分の手札・フィールド(表側表示)・墓地の、「E・HERO」融合モンスターか「ハネクリボー」1体を除外した場合のみ手札・墓地から特殊召喚できる。
①:相手モンスターの攻撃宣言時、または相手がフィールドのモンスターの効果を発動した時、このカードをリリースして発動できる。そのモンスター1体を破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。
「QUARTER CENTURY DUELIST BOX」に収録されたカードで、アニメ「遊戯王GX」の主人公遊城十代に縁のある「ハネクリボー」がモチーフとなっている。
「E・HERO」及び「フェイバリット」カードとしても扱う効果外テキストを持つ。
召喚条件として、手札・フィールド・墓地の「E・HERO」融合モンスターか「ハネクリボー」を除外した時のみ手札・墓地から特殊召喚出来る。「E・HERO」デッキであれば特殊召喚の条件はそこまで難しくなく、このカード自身が「E・HERO」カード扱いとなるため、融合素材などに使っても良い。
①の効果は相手モンスターの攻撃時または効果発動時に、このカードをリリースし相手モンスターの破壊及びバーンダメージを与える効果。受動的な効果とは言え条件自体は満たしやすく、相手の妨害として機能することが出来る。とは言えモンスター効果は無効にならない点や、魔法・罠耐性は一切ないため、相手の展開を阻害する1つくらいで考えておいた方がいいだろう。
地味な長所として、レベル6「E・HERO」カード扱いのため、「D-HERO デストロイフェニックスガイ」の素材になる。
FA-ホープ・レイ・ランサー
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/水属性/獣戦士族/攻2500/守600
レベル4モンスター×3
「FA-ホープ・レイ・ランサー」は1ターンに1度、手札の魔法・罠カード1枚を捨て、自分フィールドのランク4以下のXモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。
①:相手フィールドのモンスターの攻撃力は500ダウンする。
②:自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。相手フィールドの全ての攻撃表示モンスターの効果は無効化される。
③:このカードの攻撃で相手モンスターを破壊した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このカードはもう1度だけ続けて攻撃できる。
「QUARTER CENTURY DUELIST BOX」に収録されたカードで、アニメZEXALで遊馬の「No.39 希望皇ホープ」にシャークの「ブラック・レイ・ランサー」が、「アーマード・エクシーズ」を使って合体した姿がモチーフ。名前も双方のモンスターの名前が含まれている「エモい」カードである。
レベル4のモンスター3体を素材は重いが、手札の魔法・罠カードを捨てることで、ランク4以下のエクシーズモンスターの上に重ねることが出来る。下敷きとなるエクシーズモンスターに指定は無いので、手札コストさえ用意出来れば汎用モンスターとして採用する事が出来る。
①の効果は相手モンスターの攻撃力を500ダウンさせる効果。全体の攻撃力ダウンとなるため一気に場をせん滅しやすくなり、③の効果も発動しやすくなる。
②の効果はバトルフェイズ開始時に相手の攻撃表示モンスターの効果を無効化する効果。戦闘破壊耐性があるモンスターの効果も無効化されるため、より戦闘破壊がしやすくなった。
③の効果は相手モンスターを戦闘破壊した時、もう一度攻撃できる効果。①②の効果とも相性がよく連続攻撃を狙える。
カード全般的に戦闘に関する効果に特化しており、相手の盤面次第では一気に場を空けることも可能だ。また「フル・アーマード・エクシーズ」と相性が良く、コストで「フル・アーマード・エクシーズ」を墓地に送り、墓地効果を発動することで、このカードを火力を一気に上げる事が出来る。「フル・アーマード・エクシーズ」は「エクシーズ・アーマー・フォートレス」からサーチ可能なため、ランク3・4デッキであれば無理なく採用が出来るため、汎用エクシーズのテーマであれば、ぜひ採用してみよう。
新たなリミットレギュレーション
「マスターズ・サーガ」の実装と共に、7月29日から新たなリミットレギュレーションが反映される。意外なカードが対象となった。
大嵐 禁止→制限
「大嵐」が禁止から制限カードとなった。「OCG」でも制限カードではあったので、それに倣うように緩和となった。
効果はフィールドの魔法・罠カードを全て破壊するシンプルな効果。相手フィールドのみ破壊する上位交換の「ハーピィの羽箒」が制限だったため、なぜ今まで「大嵐」が禁止だったのか疑問に感じる人もいるかもしれないが、「遊戯王」は破壊をメリットに変換するカードも少なくなく、ランクマでもよく見かける「破戒」もフィールドの魔法・罠カードの破壊をメリットに変えられるテーマである。また「ペンデュラム」テーマもペンデュラムスケールのモンスターを破壊しペンデュラム召喚するために、敢えて「大嵐」を採用するケースもあった。そういった理由から「OCG」においても禁止指定だったが、2024年1月に制限緩和となった。時期としては半年前なのでこのタイミングでのマスターデュエルの緩和も妥当と言えるだろう。
強奪 禁止→無制限
このカードを装備した相手モンスター1体のコントロールを得る。相手のスタンバイフェイズ毎に相手は1000ライフポイント回復する。
もう1つ驚いた緩和カードがある。「強奪」である。「OCG」では未だに禁止カードではあるが、マスターデュエルでは一気に「無制限」緩和となった(どういう…ことだ…?)
Xでも「強奪無制限」がトレンドに上がり、Yahooニュースにもなっていた。
このカードの効果は相手モンスターを1体を奪う装備魔法カードだ。似たような効果を持つ「心変わり」と異なり、永続的に相手モンスターを奪える点で優れている。相手スタンバイフェイズのライフ1000回復はあってないようなものなので、実質デメリットは無いと言っていい。一方で装備カードのため、このカード自体を破壊されるとコントロールが元に戻ってしまう点や、裏側でセットされているモンスターは奪えない点で劣っている。いずれにしてもほぼノーコストで相手のモンスターを奪える効果は強力で、先行制圧系のデッキよりは、後攻捲り系のテーマやメタ系のデッキで真価を発揮するだろう。シングル戦で先行有利のマスターデュエルにとって、後攻が少しでも有利になるような措置として、今回の緩和に至ったのかもしれない。一応「聖騎士の追想 イゾルデ」で「強奪」を墓地に落とし「焔聖騎士-リナルド」をリクルートすればサルベージ可能なため汎用的な使い方も出来る。
今月頭に実施されたリミットレギュレーションにおいても、「マジェスペクター・ユニコーン」がOCGと異なり一気に無制限まで緩和したりと、独自の制限方針を続けるマスターデュエル。いろんな環境を楽しむためにも、今後もマスターデュエルならではの環境を作ってほしい。
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